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今日は父親の命日の前日
昨日で今月の京都、南座での歌舞伎公演の千穐楽を無事に迎えた
先程は東京の歌舞伎座で、俳優祭を役員として何とかきっちりと終わらせる事が出来た
もういいだろう
誤解を受け易い人間だと分かっている
憎まれている事も知っている
自分が侮られているのも百も承知だ
だから、真意を汲んで欲しく、拙いながらも日記を書き伝え続けて来たが
人間の気持ちが分からない、分かろうともしない心の貧乏な者達とも意識の共有を図ろうとしたこちらが偽善、愚か、馬鹿だった
結構
己の固い世界の中だけで望むがまま思い込み激しく能天気に、自己満足を拠り所にして生きるがいい
最早、今、語る言葉を持たなければ、語る意思も失せた
当分、日記を書くつもりは無い
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いつも見てる訳でも無ければ、見える訳でも無いんだが
本日の南座での歌舞伎公演の夜の部、客席に娘や息子と同じ位の年齢の少年か
キラキラと目を輝かせて僕の芝居を観て熱烈に拍手をしてくれていたのが偶然、目に入った
そう云うのが何よりの幸福だし、こう云う時に「歌舞伎役者で良かった」と心底思える
そして、「もっと喜んで貰いたい」と気合いが入る物だ
今日は朝、ホテルを出る前から散々なトラブル続きで、いい精神的コンディションではなかったが、あの少年の笑顔の御陰で本当に救われたよ
そうやって喜んでくれる人達だけの為に僕はこれからも芝居をして行く
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今月の京都南座での歌舞伎興行も早い物でもう折り返し地点を過ぎた
千穐楽まで、自分でも楽しみつつ気を抜かずに走り抜けたい
久し振りに「吹雪峠」と云う演し物を観たが、短いけれどもいい芝居だね
猛吹雪をバックに人間の荒涼たる弱さ、汚なさが簡潔に、だが、奥深く描き出されている
そうなんだよ
熱病に浮かされた様に我を忘れて有りもしない妄想に取り憑かれ前後の見境を失ってしまう恥知らず程、愚かで恐ろしい
そして、迷惑
しかも、自らはそれに気付いていないのが何より惨めだ
時には命の危機さえ感じる事が有るのが現実
“無意識の悪意”、“悪意の無い悪意”、“勘違いの悪意”、“善意と履き違えた悪意”、“明確な悪意”、どれにせよ“悪意”と云う部分位、その人間の下劣な、腐った、醜い本質と品性を明確且つ端的に分かり易く表す指標は無い
所詮、人間の根本と云うのはあの通り、性悪説なんだよ
坂東亀三郎さん演じる直吉、内輪の僕から見ても身贔屓ではなく内面からの闇が滲み出ていて、実に見事に人間の内面を鋭く突いていて素敵だ
シンパシーを感じる
次に彼が演じる機会には僕が助蔵の方を、とも興味が湧いて来た
また、逆にもし、弟の方の坂東亀寿さんと組んで演るとしたら、彼の助蔵で僕の直吉かも知れないね
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もう京都南座での歌舞伎公演が開いて既に九日が経っている
今月は昼夜四役、どれも気の抜けない大役
体調管理も、初日を終えた晩は右肩が痺れ、下腹部の筋肉、左太股、左ふくらはぎと立て続けに釣るハプニングに見舞われて一人、ホテルのベッドの上で途方に暮れた結果、普段はシャワーだけなので殆ど浸かる事の無い湯船の世話になったりもしたが、此処に来て今ではペース配分が分かって来て身体が少しは慣れてくれたみたいだ
花粉とPM2.5には未だ苦戦しているがね
僕の様に犬、猫、杉、桧、豚草、ハウスダストと、鼻炎の全部乗せみたいな体質だとアレルギーと云うのは非常に辛い物だ
しかし、こう、自らが責任を体験すると、如何に祖父や父が体力が有ったのかを痛感するね
当たり前だがまだまだ、自分の出来には毎回、一喜一憂どころか、一憂一憂が続いているが、今月の四役は全てが全てお客さんを笑顔にするキャラクター
幸い、此処まではお客さんにも喜んでくれている人達も存在してる様なので、後は自分でも自分を行儀良く律しながらも、楽しんでリラックスして演じる事を心掛けねばね
元来、僕は万事が万事、力み過ぎてしまう性質だし、今回「素襖落」を教えて貰っている市川團蔵さんにもそう助言されたしな
先週は坂東三津五郎の兄さん、今週は中村時蔵の兄さんがいらして、色々と身になるアドヴァイスを頂いたのも有難く心強い
坂東弥十郎の兄さんも応援に来て下さった
気に掛けて貰えるのは嬉しい事だ
毎日が反省と試行錯誤、悩みと修行の無限ループ
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花粉症、辛い
花粉、嫌だ
アレルギー、怖い
PM2.5、迷惑な
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今、この身は既に京都
一昨々日、歌舞伎座での二月の歌舞伎公演も何とか無事に千穐楽を迎えた
その昼の部の「心謎解色糸」では中村七之助さんとキスの場面も有る恋人同士を演じていた
彼としっかり組んで芝居をするのは、随分と昔の歌舞伎十八番の内「矢の根」、「新皿屋舗月雨暈」、去年の「陰陽師」以来、四度目と認識している
年下なのに、とても芝居が丁寧で心が付き、リードしてくれて尚且つ、美人で声も綺麗な非の打ち所の無い、彼氏甲斐の無い僕なんかには勿体無い位に素敵で可愛い恋人だった
今まで、なかなか御一緒する機会は多くなかったけれども、彼が愛想を尽かさないでさえいてくれたら、これからも色々な芝居を共に出来れば嬉しいと思う
引っ張り凧だから、あまりラヴコールを送っても倍率は高そうだね
七之助さんを始めとして後輩には中村梅枝さん、中村壱太郎さん、坂東新悟さん、中村米吉さん、大谷廣松さんと、それぞれ違ういい色合いの女形さんが揃っているのは選り取り見取りで頼もしい
いや、もとい
僕の方こそ彼等に「たまには相手役してやってもいい」と時々は選んで貰える様にならないといけないな
ところで、話は全く変わる
個人的話で甚だ恐縮だが、今年は何だか、一月の国立劇場優秀賞から続いて松尾芸能賞優秀賞と云うのも頂いた
四年前に日本舞踊家、藤間勘右衞門として花柳寿應賞新人賞を頂いて以来だ
新人、と呼ばれるのは当時でも面映ゆかったけどね
二ヶ月連続で受賞とは、賞や賞レースに縁も所縁も興味も全く無い僕には青天の霹靂だ
こんな、らしくない事件
死んじゃうんじゃないかね
したが、僕如きが受賞とは、その賞達の格がガタ落ちになるのではないか、と、心掛かりにすらなるが、そう評価して貰えたと云う事実は客観的に、個人としてではなく
師匠方や先輩、僕の弟子、僕の代からのスタッフ、友人達は勿論の事ではあるのだけれど
特に今回は日本舞踊を仕込んでくれた藤間流の先生方や、今まで支えてくれた尾上佳緑、尾上扇緑、尾上松太郎、尾上辰緑、尾上松十郎、尾上緑三郎、尾上緑也と云った祖父、父の代の弟子達
また、その頃から事務方として尽くしてくれている、くれていた、飯島、原、松本、近藤、木村、矢田部と云った面々
そして、口をつぐんで黙っていたのをいい事に、知ったか振った馬鹿者共や日和見の腰巾着達に出任せ放題の出鱈目を散々吹聴されながらも、言い訳がましい事をせずに、衝突したり不仲な時も乗り越えて僕を育ててくれた母の御陰
その人達にこそ、深く深く頭を下げて礼を述べたい
最後に、祖父、父が相次いで死んだ時に「この船は沈む」とばかりに八艘飛び宜しく身を翻してくれた、政治的バランスの良く読める機を見るに敏であった数多の諸兄、御大、その他には「この沈みそうな船はフライング・ダッチマン号級のオンボロ幽霊船ではあるけれど、残念ながらまだ沈んではいず、僕も細々と何とか辛うじて死んではいないので、貴公等の御慧眼、目論見を外してしまい本当に大変申し訳無い」と重ね重ね、頭を地ベタに擦り付け伏して心から御詫び申し上げたい
大事な事だから、もう一度書き留めておく
誰の目算が狂おうが
誰が舌打ちをしようが
誰に何を侮られようが
例え、どれだけ馬鹿にされようが
御生憎様
今、現時点、僕はまだ生きている
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今回のソチ冬季五輪観戦はあまりテンションが上がってなかったんだけど
羽生結弦選手の金メダルは素晴らしかった
何より、現役最年長の葛西紀明選手の銀メダル、銅メダルに感動した
これこそがまさにレジェンドのレジェンドたる由縁だね
そして、浅田真央選手のフリーの演技には涙が滲んだ
残念にもメダルには届かなかったが、彼女もまたレジェンドの一人だと云うのは間違い無い
今回、無冠の太夫ながらも記憶に鮮明に残ると云う立ち位置はとても格好良く、どんな真意があろうとも、品も言葉選びのセンスの欠片も一切持ち合わせていない呆けた年寄りがデリカシーの無い一席を振ろうが、僕は好きだ
話は全く変わるが、来月の京都、南座での歌舞伎公演、昼の部に於いて新歌舞伎十八番の内「素襖落」の太郎冠者を演じる
曾祖父の代から、祖父、父と得意にしている役だ
高麗屋の血縁の隅の隅に連なる者として、また、音羽屋の端に名を並べている者として、そして、藤間流の家元を預かっている身としても「棒縛り」、「太刀盗人」と共に一生、踊り続けて行きたい作品である
いつまで生きてられるかは分からないがね
時に、その「素襖落」の太郎冠者は蝙蝠が描かれた扇子を用いる
我が家だけの家訓なのか、他家でもそうしているのかは調べていないので不明なのだけれど、曾祖父の頃からこの「素襖落」の蝙蝠の扇子だけは自分で描く事になっている
祖父の初演の時は曾祖父が、父の初演の時は祖父がその絵を描き、再演からはそれぞれ自らが作の絵である
今回、僕だけでなく作品全体を監修してくれる市川團蔵さんにも「初演だが、君も自分で描いた方がより舞台に思い入れが深くなる」と言って貰い、自分でもそう思ったので先月、生まれて初めて扇面に蝙蝠の絵を描いた
流石は歌舞伎界は言うに及ばず、日本舞踊界でも随一に字と絵の下手糞な僕だけあって、びっくりする程に珍妙、奇天烈、不可思議な生物になってしまった
曾祖父、祖父、父に芝居や日本舞踊ばかりではなく、字や絵のセンスまでも遥か足元どころか足の裏にも届かない事を再認識して愕然
でも、自分で描いただけに愛着は湧いているので、来月の「素襖落」では、その自作の扇子を使う事にする
そこにも注目して頂けると照れ臭いが有難い
その内に僕の絵だけではなく、曾祖父、祖父、父の蝙蝠の扇子もこのホームページのギャラリーに画像を出すつもりなので、それぞれ、どんな雰囲気なのかを見比べて貰えたら幸いである
ちなみに、僕個人の趣味では三人が三人共に独特の味が有って上手いと思うけれども、中でも曾祖父のが一番、蝙蝠っぽくて好きだ
祖父のは一番シンプルで、父のは漫画に近いイラスト的な気がする
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一昨日、仕事関連ではない所で至極不快な事が有った
ので、昨日は一日通して久々にセディールとワイパックス、大体二時間置き位に各十錠ずつ世話になったが、このフラストレーションは時間が解決するのを待つだけだから、安定剤と睡眠薬を美味しく頂いてそのお力を拝借するしか今は手が無い
話は全く変わる
Miwaさんと云うアーティストが最近のお気に入り
小柄なのにギターを構えて一人、直立不動で正面を見据えて堂々と歌う姿がアンバランスで格好いい
ちょっと前の曲だけど「ヒカリへ」にかなりハマった
TVで知ったが最近、彼女はギブソンの白のレス・ポールを新調したらしい
ナイスチョイス
オジー・オズボーンバンドは歴代のギタリストがそれぞれ最高に格好いいんだけれども、やっぱりその中で僕の最強はランディ・ローズ
彼のトレードマークだったのが白のレス・ポールと白黒水玉模様のフライングV
勿論、ギブソン製
僕もギターを弄っていた時期にその影響で、何本か持っていた中でも一番愛用していたのは白のギブソンのレス・ポールだった
だから、今でも最も好きなギターは白のレス・ポール
ギブソン製に限るのは当たり前
一度でいいから生で彼のギターソロを観てみたかったね
さて、その次はジェイク・E・リー
今は亡きレイ・ギランと組んでたバッドランズにも憧れた物だ
「TheLastTime」とか「Fire&Rain」とか今でも良く聴いている
続いて後に控えしブラッド・ギルスもいい
ナイトレンジャーでのジェフ・ワトソンとの競演は圧巻だった
また、その後に連なるザック・ワイルドは唯一、生で観られた
「MiracleMan」等に痺れたね
他にも数人のギタリストは居るが、ギタリストに限らず、ベーシスト、ドラマー、キーボーディストと、オジー・オズボーンバンドにはレジェンドクラスのアーティストが勢揃いしていて、未だに聴くと胸がワクワク弾んで来る
さて、どん尻に此処まで書き控えていた、ブラックサバスでオジー ・オズボーンやギーザー・バトラー等と組んでいたトニー・アイオミも勿論、僕の教科書であった
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僕は明日、もう数時間で三十九歳になるんだが
一昨日、昨日と気心の知れた連れ達に二日連続で終演後に誕生日を祝って貰った
果たして生きている価値を自分では全く見出だせない僕だが、そんな僕でも真実、心から必要としてくれている友達が多少なりとも存在すると云う事はとても嬉しく、有難い事
彼等、彼女等には本当に感謝
来年の、次の誕生日まで生きてられたら御愛嬌って事で
ちなみに、ジョヴァンニ・ファン・ブロンクホルストやネイマール、クリスティアーノ・ロナウド、そして我等が坂東亀三郎さんの息子君とは同じ生年月日である
さて、話は変わるが、今月の歌舞伎座での歌舞伎公演も既に初日が開いてから四日が経った
昼の部の「心謎解色糸」では本庄綱五郎と云う役を演じている
鶴屋南北の独特の世界観と台詞廻し、それから、僕のキャラクターではない二枚目の色男と云う役に四苦八苦、一喜一憂しながら毎日、充実して芝居をしている
こう云う時に内側から滲み出る色気が足りないのは、これまで女性経験が圧倒的極端に少ない人生を歩んで来たからだな、きっと
市川染五郎さん、尾上菊之助さん、坂東亀三郎さん、坂東亀寿さん、中村七之助さんを始めとする共演者全てと力を合わせて、一日一日と進歩出来る舞台を作り上げて行きたい
また、夜の部「青砥稿花紅彩画」では、今までにも何度も手掛けている南郷力丸を勤めている
死んだ父親が得意としていて、前の歌舞伎座に一番最後に出演した時の役の一つ
それを新しい歌舞伎座で通し狂言として初めて勤められると云うのは、僕の中で非常に思う所が大きい
これまた「江戸の夕映え」や「暗闇の丑松」、「新皿屋舗月雨暈」等と同様に祖父、及び父の贔屓の方々からすれば、「及びもしないお前如きが演ずるな」と至極お怒り、不本意、不愉快にお思いの事ではあろう
仰せ、実に御尤もな所ではあるけれど、申し訳無いが二人共に既に亡くなっているのは変え様の無い真実なので、此処は心を広く持って僕がこの役を勤める事には断腸の思いながらも目を瞑って頂きたいと、伏して乞い願う次第である
何にしても僕個人としては、本庄綱五郎、南郷力丸共に責任と共に演り甲斐が有る役なので、千穐楽まで持てる力を全て費やして、自分でも楽しみながら演じて行きたいと思っている
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137
やっぱりな
僕の致命的な欠点と取るのか
言い直せば不本意ながら或る意味、可愛い所、御愛嬌とも言えるのか
どれだけ格好良さ気な事を思おうが、それが半永久的に長続きしないと言うか
兎に角、僕は抜けている
間抜けと云う言葉じゃ間に合わない程に抜けている
脇が甘い
詰めが甘い
用心している筈なのに、忘れた頃に必ず何処かで穴に嵌まってポカをする
ちょっと足元を見るのを怠って視線を上げてしまうと、普段の僕じゃ有り得ないくだらない失策をする
だから、僕は目線を上にしてはいけない
常に下を向いて、俯いていなければいけないのに
他人より以上に、病的な位にしっかりと足元を見詰めていないと駄目なんだよ
それでも駄目なんだから
相変わらず、自分で自分を地に落としている
情けない
要は結局、緊張感が足りないんだ
全然、張り詰めてない
不用意過ぎる
分かっちゃいるんだけど、時たま頭からそんな大事な話が抜けちゃうのが僕の悪い所
今でさえこの始末
自分でそんな愚かしい自分が焦れったく、憎い
こんなので生きて行けるのか
無理だね
もっと自ら鞭を入れ続けないと今以上にダレた、どうしようも無く駄目で馬鹿なだけの男になり下がってしまう
こんな体たらくじゃ無駄に酸素を消費する価値すら全く無い
要らない
不必要だ
足りない
届かない
自戒
反省
自己嫌悪
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