197
昨日、石川県立音楽堂邦楽ホールでの仕事、無事に終了
同じイヴェントで御一緒させて頂いた茂山千五郎先生を始め御一門の方の楽屋に御挨拶に行った時に千五郎先生に「先月の芝居を観ましたよ」と言って頂き驚愕
ひたすら恐縮しながらも、有難い御言葉だった
また、古今亭志ん輔師匠の楽屋に御挨拶に伺った時には、通う耳鼻咽喉科が同じであるとの話
意気投合っぽい雰囲気になった
志ん輔師匠はどうやら結構、酒飲みの御様子
一献、何処かで酒を酌み交わしてみたい物だね
二組の演目、狂言「福の神」、落語「黄金餅」をモニター越しに自分の拵えをしながらしっかりと堪能させて頂いた
我々の演し物、清元「三社祭」はスタッフ皆さんの協力も有り、コンビの息も今までに無かった「自分が求めていたのはこれなんだよ」と体内からエネルギーが八方に放出する位、本当に久し振りに楽しく気持ちいい仕事が出来たと思う
〈ルパン三世と銭形のとっつぁん〉、〈コージとヒロシ〉、〈ケンシロウとレイ〉、〈ノッポさんとゴンタ君〉、〈美幸と夏美〉、そう云う互いに何も言わなくても分かり合えるコンビネーションを楽しんで身体に電流が走った心持ちだった
卍解は生涯しないだろうが、久保帯人さんの表現する始解に似た感覚を初めて味わった気分だったよ
斬魂刀を持ってなくても心技体が揃えば力って自然に出る物なんだな
観ていた方々には恐らく喜んで貰えただろう
僕にしては珍しくその自信が有る
だが、踊っていた二人の方がもっと嬉しく、楽しかったのではないか
表現者には在るまじき事ながら、そう確信している
終演後、小松空港に着いてからは、離陸まで金沢百万石ビール・ダークエールと氷結果汁を飲みながら時間潰し
離陸してからは、天気予報に反して快晴だった金沢とは大違いの、東京の荒れ模様の天気だったらしく羽田空港上空で旋回しながら四十分以上待機、着陸してからも飛行機が降り口まで辿り着けず、滑走路で二十分以上待機
結局、一時間以上もタイムロスして羽田空港を出る破目に
しかし、着陸してみると、確かに酷い雨風雷
逆に良く着陸出来た物だ、とびっくりたまげた
明日も来月十日、熊本県立劇場演劇ホールで催される藤豊会にて演じる「積恋雪関扉」の関兵衛実は大伴黒主の稽古
明後日は再来月の歌舞伎座での歌舞伎公演、昼の部で演じる「鬼一法眼三略巻」の奴智恵内実は吉岡鬼三太の宣伝写真を撮る予定
そして、木曜日には坂東亀寿さんと清元雄二朗さんと三人で金沢の打ち上げをする
血と臓物を全て吐き出す程に杯を上げたいと思っている
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今朝、東京を飛行機で経って石川県金沢市に着き、さっき、石川県立音楽堂邦楽ホールにて明日に踊る清元「三社祭」の舞台稽古を終わらせた
柄にも無く仕事でワクワクしている
こんなに舞台が楽しいのは此処数年、此処十数年、此処数十年
いや、ひょっとしたら自分の初御目見得以来、初めての事かも知れない
自分が楽しみな舞台と云うのは、本当に自分が楽しくなるんだな
そんな事を知るのに随分と長い時間が掛かった物だ
そして、そんな思いで立てる舞台と云うのは一生の内に数回、きっと片手で数えられる回数程度しか経験出来ないんだろう
「全ての毎日、全ての仕事が楽しい」なんて言い切れる程、俺は偽善者ではない
先月の歌舞伎座での歌舞伎公演の千穐楽を迎えてからほぼ、仕事の面はこの舞台の事だけを目標に据えて来た
明日はいよいよ本番
金沢は魚が美味いからな
友達の三味線弾き、清元雄二朗さんと家のスタッフ達とこれから寿司でも食べて、アルコールと薬を控えめにして明日を万全の体調で迎えられる様に、今晩は日が変わらぬ内に早めに寝てしまおう
人生で残り何回踊れるか分からないこの踊りを、俺史上で一番出来良く作り上げる為に
舞台とメンタルは整った
後は俺の身体だけだ
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193
今、僕がプライヴェートで非常に興味をそそられているのが通称“津山三十人殺し”等と呼ばれている事件
もう七十年以上も昔の出来事だが、とても心の襞を掻き乱される
此処数ヶ月はその関連の本もノンフィクション、フィクション、それから漫画と問わず購入、読み漁っている
司法省刑事局「津山事件報告書」のコピー
筑波昭氏の「津山三十人殺し―村の秀才青年はなぜ凶行に及んだか」
石川清氏の「津山三十人殺し―最後の真相」、「津山三十人殺し―七十六年目の真実:空前絶後の惨劇と抹殺された記録」
松本清張氏の「ミステリーの系譜」から「闇に駆ける猟銃」
西村望氏の「丑三つの村」
岩井志麻子氏の「夜啼きの森」
横溝正史氏の「八つ墓村」も数十年振りに再読した
後は、押切蓮介氏の「ツバキ」
ざっと挙げて、こんな所か
個人個人で色々な解釈があり、それについついのめり込んでしまう
読み終わった本は大体、飲んだ席でこの事件の話をしたら僕と同様に興味を持ってくれた坂東亀寿さんに貸出中
或る一つの集落の中で村八分の嫌われ者にされ、安全装置であった頼みの綱の姉とも離れ、虐げられ続け体内に孤独を飼い、世の中の全てを敵だと受け取ったであろう犯人が、その犯行に至った心理の深淵の、そのまた奥底を覗いてみたい思いで今、気が狂いそうだ
彼は全てを終えて自分の胸を撃ち抜く瞬間、達成感を得て笑いながら逝ったのだろうか
そうだ、恨み、憎しみ、怒りこそが肉体に最後の疾走と咆哮をさせる絶大なるエネルギーを与える
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祖父の命日
花四天の皆が歌舞伎座賞なる物を獲得出来た上に、誰一人として怪我人を出さずに、欠ける事無く千穐楽を迎えられた
藤間家の末席に仮の宿りを借りている不肖の者としても、せめては最低限度の罪滅ぼしにはなったか
そして、役目も一つは終わった
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185
昨日から「倭仮名在原系図」の公演の後に来月の二十日、藤間勘右衞門として石川県は金沢市の石川県立音楽堂邦楽ホール「寺と神社・日本芸能の源流」と云う催しで坂東亀寿さんと一日だけ踊る清元「三社祭」の稽古が始まった
我が、家元藤間流の手で踊るのは久し振りだが、約二時間、浴衣が絞れる程に汗をかいて身体を動かした
実に心地良かった
そして、まだ稽古の段階とは言え、亀寿さんと踊るのが何と楽しい事
こんな気分は滅多に味わえないだろう
今までの自分史上、最強の「三社祭」を彼と作り上げて体現出来る様に身体を苛め抜いて行こう
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168
先月、前半の暴飲暴食が祟って2週間で体重が81kgまで増えた
これは此処15年位の中でも最大体重だ
流石に驚いた
それも仕方が無い
寝ずに不摂生の最たる生活を謳歌してた訳だからな
その間に受けた人間ドックでも、今までで最悪の数値と結果を招いた
しばらく収まっていた逆流性食道炎が悪化してからのバレット食道、高血圧、甲状腺疾患、動脈硬化、右腎結石、肝機能障害に軽度の鬱と来るのも検査当日の朝まで飲んでれば当然だ
医者には「去年はあんなに良かったのに、今年の酷さは有り得ない」と、叱られた上に「アルコールをやめれば行く行く改善されるし、直ぐに体重も落ちる」とは言われたが生憎、そこまでして長生きしようとも、健康になろう等とも馬鹿馬鹿しくて更々思わない
だから、取り敢えず食事だけ取らずに体重を落とすやり方で、今週に入ってやっと67台kgまで落ちて、ウエストが75cmを切った
今年2月、3月の体重が大体65kg程度だから、まだまだ戻り切ってはいないが、今月中には60kg台前半位までには持って行きたいと考えている
元来、自分の身体を苛めて痛め付けるのは大好物で得意とする所だから、この程度は全く苦と感じない
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今日は父親の命日の前日
昨日で今月の京都、南座での歌舞伎公演の千穐楽を無事に迎えた
先程は東京の歌舞伎座で、俳優祭を役員として何とかきっちりと終わらせる事が出来た
もういいだろう
誤解を受け易い人間だと分かっている
憎まれている事も知っている
自分が侮られているのも百も承知だ
だから、真意を汲んで欲しく、拙いながらも日記を書き伝え続けて来たが
人間の気持ちが分からない、分かろうともしない心の貧乏な者達とも意識の共有を図ろうとしたこちらが偽善、愚か、馬鹿だった
結構
己の固い世界の中だけで望むがまま思い込み激しく能天気に、自己満足を拠り所にして生きるがいい
最早、今、語る言葉を持たなければ、語る意思も失せた
当分、日記を書くつもりは無い
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いつも見てる訳でも無ければ、見える訳でも無いんだが
本日の南座での歌舞伎公演の夜の部、客席に娘や息子と同じ位の年齢の少年か
キラキラと目を輝かせて僕の芝居を観て熱烈に拍手をしてくれていたのが偶然、目に入った
そう云うのが何よりの幸福だし、こう云う時に「歌舞伎役者で良かった」と心底思える
そして、「もっと喜んで貰いたい」と気合いが入る物だ
今日は朝、ホテルを出る前から散々なトラブル続きで、いい精神的コンディションではなかったが、あの少年の笑顔の御陰で本当に救われたよ
そうやって喜んでくれる人達だけの為に僕はこれからも芝居をして行く
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145
今月の京都南座での歌舞伎興行も早い物でもう折り返し地点を過ぎた
千穐楽まで、自分でも楽しみつつ気を抜かずに走り抜けたい
久し振りに「吹雪峠」と云う演し物を観たが、短いけれどもいい芝居だね
猛吹雪をバックに人間の荒涼たる弱さ、汚なさが簡潔に、だが、奥深く描き出されている
そうなんだよ
熱病に浮かされた様に我を忘れて有りもしない妄想に取り憑かれ前後の見境を失ってしまう恥知らず程、愚かで恐ろしい
そして、迷惑
しかも、自らはそれに気付いていないのが何より惨めだ
時には命の危機さえ感じる事が有るのが現実
“無意識の悪意”、“悪意の無い悪意”、“勘違いの悪意”、“善意と履き違えた悪意”、“明確な悪意”、どれにせよ“悪意”と云う部分位、その人間の下劣な、腐った、醜い本質と品性をダイレクト且つ端的に分かり易く表す指標は無い
所詮、人間の根本と云うのはあの通り、性悪説なんだよ
坂東亀三郎さん演じる直吉、内輪の僕から見ても身贔屓ではなく内面からの闇が滲み出ていて、実に見事に人間の内面を鋭く突いていて素敵だ
シンパシーを感じる
次に彼が演じる機会には僕が助蔵の方を、とも興味が湧いて来た
また、逆にもし、弟の方の坂東亀寿さんと組んで演るとしたら、彼の助蔵で僕の直吉かも知れないね
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もう京都南座での歌舞伎公演が開いて既に九日が経っている
今月は昼夜四役、どれも気の抜けない大役
体調管理も、初日を終えた晩は右肩が痺れ、下腹部の筋肉、左太股、左ふくらはぎと立て続けに釣るハプニングに見舞われて一人、ホテルのベッドの上で途方に暮れた結果、普段はシャワーだけなので殆ど浸かる事の無い湯船の世話になったりもしたが、此処に来て今ではペース配分が分かって来て身体が少しは慣れてくれたみたいだ
花粉とPM2.5には未だ苦戦しているがね
僕の様に犬、猫、杉、桧、豚草、ハウスダストと、鼻炎の全部乗せみたいな体質だとアレルギーと云うのは非常に辛い物だ
しかし、こう、自らが責任を体験すると、如何に祖父や父が体力が有ったのかを痛感するね
当たり前だがまだまだ、自分の出来には毎回、一喜一憂どころか、一憂一憂が続いているが、今月の四役は全てが全てお客さんを笑顔にするキャラクター
幸い、此処まではお客さんにも喜んでくれている人達も存在してる様なので、後は自分でも自分を行儀良く律しながらも、楽しんでリラックスして演じる事を心掛けねばね
元来、僕は万事が万事、力み過ぎてしまう性質だし、今回「素襖落」を教えて貰っている市川團蔵さんにもそう助言されたしな
先週は坂東三津五郎の兄さん、今週は中村時蔵の兄さんがいらして、色々と身になるアドヴァイスを頂いたのも有難く心強い
坂東弥十郎の兄さんも応援に来て下さった
気に掛けて貰えるのは嬉しい事だ
毎日が反省と試行錯誤、悩みと修行の無限ループ
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