567
個人的な好みの話
横綱の土俵入りは観ていて大変に立派な物だ
型的な話だけで言わせて貰うと雲竜型よりも不知火型の方が好み
攻め一方と云うあの手の開きに刹那の煌めきを感じるからだ
謂れで、良く「雲竜型よりも横綱としては短命だ」とされる不知火型で、これだけの長期政権を維持しているのだから、やっぱり、好き嫌いの兎や角以前に白鵬関と云うのは大した関取だと思う
立派
見事
ちなみに、僕が最も好きだった関取は、やはり雲竜型ではあったけれども、今の八角理事長
当時の横綱、北勝海関
故千代の富士関との兄弟弟子横綱は絵になっていた
様になっていたな
今は宇良関や石浦関とかの相撲を観戦するのが楽しい
さて、話は変わるが、明日は今年二度目の人間ドックだ
恐らくはPETをやるからであろうけれど、僕が頼んでいるクリニックは毎年、検査を二回に分けているからね
確かに面倒臭くはあるけれど、それで詳しく点検して貰えるなら仕方が無い
良しとしておくか
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ふらりと旅行がてら伊豆に来た
道中、色々と散々なトラブルは有ったけれど、何とか辛うじて到着
初めて取った宿なんだけれども、犬が一緒でも大丈夫なペンション風で過ごし易そう
ドッグランも在るし
しかし、プライヴェートで旅行なんて、久し振りだ
帰ったら、また通夜、告別式と続いて、気持ちは悲しく重くなって行くのは今から明白だからな
此処でしっかりと気分だけでもリフレッシュして東京に帰りたいと思う
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563
今日は神奈川芸術劇場に劇団四季の「オペラ座の怪人」を観に行って来た
久し振りだったからとても楽しみにしていたら、予想通り実にいい物を観せて貰った
相変わらず、オープニングのシャンデリアが吊られて行く場面からゾクゾクと興奮させてくれるよ
ファントム役は村俊英さん
最近の村さんと云うと、自分の中では「キャッツ」のアスパラガス、グロールタイガーのイメージが強かった
しかし、随分前に僕がまだ尾上辰之助を名乗っていた折の名古屋公演、毎日の様に観狂っていた頃のファントムが村さんだったから、回数としては一番、彼のを観ているんだと思う
そんな手慣れた方だから、安定感と上手さ、そして懐かしさで、胸が一杯になって心地良く観る事が出来た
個人的には「お久し振り」と云う感じ
ちなみに村さんとは名古屋で一度、お逢いしているんだけれど、確か、成田屋さん、十二代目市川團十郎の叔父さんの御弟子さんである市川新蔵さんと同じ大学だか、同級生と云う話を聞いたよ
クリスティーヌ・ダーエは苫田亜沙子さん
彼女は「ウィキッド」のグリンダ・アップランドをされているのを観た事が有る
その時も歌に圧倒されたが、今日の彼女のクリスティーヌはグリンダに勝るとも劣らぬ素晴らしさだったと思う
僕が何人か拝見した歴代の名クリスティーヌと遜色無いのではないかな
他にもカルロッタ・ジュディチェルリを演じた辻奈々さんの迫力有る歌声を始め、ムッシュ・アンドレ、ムッシュ・フィルマン、ウバルト・ピアンジ、マダム・ジリー、メグ・ジリーと
素敵な役者さんの皆さんに感動を与えて貰った
うん、「オペラ座の怪人」は
いや、「オペラ座の怪人」に限らず、素晴らしいミュージカル
そして、素晴らしい芝居は何回観ても感動を与えてくれるし、決して飽きさせる事が無いね
及ばないまでも、僕も「そう云う舞台だった」と、お客さんに思って貰える様に毎日を演じなければいけないな
今月は休みではあるけれど、色々な意味でいい刺激を貰い、改めていい勉強もさせて貰った一日だった
さて、明後日は一回目の人間ドックでPETに入らなければ
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今日は墓参りに出掛けて来た
去年末以来、漸く今年一回目
しかも、マイカーでは初めての墓参り
空は曇って今まさに雨が降り出しそうで、日和は良くないんだけどね
でも、幸い、道も空いていたし、何とか降り出す前に無事に掃除も済んで、気持ち良く墓参りを終わらせる事が出来た
一区切りの整理が付くし、気持ちのいい物だ
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今月は歌舞伎座の六月大歌舞伎、昼の部の「名月八幡祭」と夜の部「一本刀土俵入」に出演していて、両演目とも市川猿之助さんと御一緒だった
彼と共演したのは久し振りだったけれども、御一緒に演らして貰うと、実に勉強になるし、何より楽しかった
こちらは足を引っ張らない様にするのに精一杯
昼の部では散々、足蹴にされて苛められた分、夜の部では駄目夫の僕をひたすら支えてくれるいい女房であった
暗転の間に毎日、合羽を着せてくれていたのだが、甲斐甲斐しく世話をしてくれるその心遣い、気遣いたるや、本当に嬉しい
まさに天才に昼夜共に引っ張って貰った一ヶ月だった
感謝しか無いね
常磐津「浮世風呂」も素晴らしく、何度も拝見させて貰った
立役、女形、踊り、どれを取っても天才的って、こりゃどう云う事だ
当然、御本人の努力が有るからの話であろうとも、一人に二物も三物も与えるなんて、神が真実に存在するとしたら、何と依怙贔屓なんだろう
嗚呼、だから、神なんて嫌いだし信じていないのだ
いや、嫌いで信じていないからこそ、向こうも僕の事は嫌いなんだろう
色々な意味で、奪い続ける残酷な天を、残酷な神を、僕はこれからも生きている限り憎み続けるだろう
望む所だ
いつも優雅な面して上から余裕綽々で見下ろしてんじゃない
こちらの方こそ、絶対に許さない
いつの日か、必ず、断じて、断罪を下す
いや、私情と思い入れと恨みが入り過ぎた
話を戻そう
猿之助さんは僕よりが一つ下
でも、正直、年齢に関係無く尊敬している人間の中の一人である
彼が見放さないでいてくれるのなら、また今後は頻繁に出させて貰いたい物だ
坂東竹三郎さんと御一緒出来たのは財産
また、是非、お願いしたい
市川猿弥さんとも数年振りの芝居、凄く助けて貰った
市川笑也さんの相手役を初めて演ったのも、こちらとしてもとても勉強になった
さて、その昼の部の「名月八幡祭」では、僕は縮屋新助と云う役を演じていた
前にも日記に書いた通りに勿論、基本の演技とイメージは父である先代尾上辰之助の新助を頭に叩き込んで一ヶ月を通した
でも、実は前半の表情の部分だけ、父以外にも或る人物達を参考にはしていたのだ
それは「名月八幡祭」とは全く関係無い、僕の敬愛する漫画「北斗の拳」にほんの数コマだけ登場する、拳王事ラオウ軍に蹂躙される、無抵抗主義の村の住人達
特に、ラオウに殺される長老と、ラオウに殺され掛ける少年の二人
他人に無条件にニコニコしながらも、何処かに不安や怯えを残した笑顔
初めて読んだ当時、原哲夫先生の描いたその表情が物凄く印象に残ったから今回、少しだけ含んでみたつもりだ
もし、御覧になったお客さんの中で、僕が演じた新助に、そう云う、微笑みながらも何処か寄る辺無い不審感、不信感を感じ取って下さった方が少しでも居てくれたのならば、無駄ではない成功だったと、有難く思うのだが
また、ラストの場面、雨の中で芸者美代吉を凝視して行く首の動かし方は、映画「エクソシスト」のリンダ・ブレアが演じたリーガン・マクニールの首が180度回転する名場面を初めて観た時の言葉に出来なかった衝撃の悍ましさに通じた物を伝えられれば良かったのだが
こちらはせいぜい90度足らずの事でも“首一つを敢えて機械的に動かす”と云う動作だけでも“脳味噌と心と本能と身体を切り離して動かさせる”とは、なかなか難しい物だった
とは言え、あくまでも自分の中でイメージをトレースしていただけだから、それについて兎や角と「自分の仕事である歌舞伎をそんな風にして漫画や映画と一緒くたにするなんて」的な有難くも的外れな金言を下さる博識者振った似非通の人達の方がもし、また湧いて出てらっしゃったとしても、返してやれる言葉は一切持ち合わせていないから、当方としては、苦笑いを浮かべながら困る事位しかしてあげられない話なんだけれどもね
それにしても「番町皿屋敷」に「暗闇の丑松」、「名月八幡祭」と「坂崎出羽守」か
うん
僕は良く良く運命の女に人生を狂わされて壊されるのが好きみたいだ
現時点で名実共に歌舞伎界現役No.1の振られキャラクターである事は間違い無いな
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今期の連続ドラマは結構な当たりだったな
摩耶雄嵩さんファンで原作を全て読んでいた僕からしてみても突っ込み所満載で笑いが止まらないけれど、松重豊さん、滝藤賢一さん、生瀬勝久さん達、巧い役者さんの縦横無尽な達人芸と、武井咲さん、井川遥さん、仲間由紀恵さん、中山美穂さん達の美貌、そして多彩なゲスト陣、ジャニーズ事務所所属のタレントの中では珍しく嫌いではない
と、言うか、どちらかと言えば好きな方になるのであろう“貴族様”事相葉雅紀さんが飽きを来させずに観せてくれる(原作がいいのだから、当たり前と言えば当たり前なのだが)「貴族探偵」を始め、安心して観ていられた「母になる」、既に続編が気になる「警視庁・捜査一課長Season2」と「緊急取調室Season2」等々、かなり豊作だったのではないかと思う
東出昌大さんの怪演が大評判になった、注目の美人、波瑠さん主演の「あなたのことはそれほど」を、気になっていながらも観逃したのは心残りであったかな
ただ、「土曜ワイド劇場」の枠が「日曜ワイド」に移動になったのは大いに、非常に不満である
他には「笑×演」や「にちようチャップリン」とか、面白いね
最近の漫才師だと、もう或る意味、唯一無二の地位に近付きつつある千鳥と、僕の好みに非常に合っていて今、勢いの出て来ている笑撃戦隊を猛烈に推す
「全力、脱力タイムズ」もいい
僕は特に五箇公一先生と出口保行先生、それから滝沢カレンさんの神憑った日本語(と言っていいのかどうか分からないが、兎に角、毎度、感心している)がツボに嵌まって大のお気に入り
そして、忘れちゃいけないのが「陸海空・こんな時間に地球征服するなんて」だろう
中でも特に「部族アース」と「豪華客船アース」の二つは欠かせない
観る物が多い御陰で、今期のアニメは「進撃の巨人Season2」以外は観ていない
後は、TVではないけれど、中村松江さんに教えられてから密かに我が家でブームになっているのが「ほんとにあった、呪いのビデオ」シリーズ
この続き物はかなり
いや、“かなり”では言葉が足りな過ぎる程に面白い
ほぼ、全シリーズ観たが、スタッフの菊地宣秀さん、森澤透馬さん、長田明子さん、川居尚美さん達が登場している辺りが盛り上がる
しかし、中でも僕のテンションが最も上がるのは岩澤宏樹さんが活躍していた少々、昔の時代の件りだ
岩澤さん、実にいい味なんだよ
松江さんはあんまり好きではないんだけど、僕は岩澤さんのキャラクターを愛して止まない
今は監督業をしている様なので、彼の他の作品も観てみたい
お勧めなので、興味が有ったらこのシリーズは是非是非、観て頂きたい
映画では、まだ観る事の出来ていない「美女と野獣」と、来月公開の「パイレーツ・オブ・カリビアン〜最後の海賊〜」は押さえておきたいと思っている
音楽では近頃、大好きで自分のkindleからかなりの確率で流れて来るのが、歌声と歌詞に涙が出る程に魂が揺さぶられるさユりさんと、ただひたすら全てが格好いいTheOralCigarettes
兎に角、両者共、滅茶苦茶いいんだよ
これまた、知らない人達は是非、聴いてみて欲しい
仕事以外の最近は取り敢えずこんな感じ
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仕事を終えて家に帰って来て知ったんだけど、未だにAKBグループ総選挙ってやっていたんだね
そして、リアル「名月八幡祭」みたいな話が起きたらしいじゃないか
いや、本当だったら凄まじいな
出来合い茶番のやらせじゃないんだとしたら、もし、僕が縮屋新助みたいに田地田畑売っ払ってまでも本気で応援して尽くした様なファンだったら、そりゃ気も狂わんばかりに悶絶して爆怒するだろうな
気は分からんでもない
芸者美代吉みたいな末路の事件にはならない事を切に祈るばかりだ
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これ、良くないな
ハンドスピナー
僕の衣裳屋さんに聞いた話だと、依存性に近い状態になり兼ねないから、アメリカでは発売禁止になったとかって
それ、本当の話かね
確かに落ち着くし、凄く苛々も軽減される
ずっと持っていると手放せなくなって来るから、その理由は分からないでもない
殊、今月は何かと思う様に事が運ばず心がカリカリと逆立っているので、弄っていると心強いし心地良い
安心して舞台に出られるわ
此処の所、プライヴェートでもずっと触っているし、楽屋でも出の直前までずっと回している物な
僕の弟子達と床山さん、衣裳屋さんにも一つずつ分けてあげた
ちなみに先日、楽屋で僕が持っているコレクションの中でも一番出来のいい、格好いい奴をビュンビュン回していたら、ハンドスピナーの存在を知っていた、今月、僕の娘を演っている市川右近さんがそれを見て欲しそうだったから、その場でプレゼントしてあげた
嬉しそうだったから、こっちも嬉しくなったよ
そして今日、何と彼から“ハンドスピナー大臣”の称号を拝命した
これは大任だ
右近さんがこれまた人懐っこくて超可愛いんだよな
仲がいいからこそ言えるんだけど、御父上の市川右團次さんの強面のイメージ(実は語ってみると凄くフレンドリーなナイスガイなんだけどね)とは全く違うんだよ
これからも、何か機会が有ったら御一緒したい父子ではある
右近さんとハンドスピナーとアルコールが今月の僕の癒し
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個人の個人に依る個人的主観は全く構わない
だが、「詳しくない」、若しくは「私は良く分からないが」程度の薄い知識しか持ち合わせていないのなら、横合いから一丁噛みして知った気で御大層に論を騙るんじゃない
「“知らない”のにちょっと一言」等とは恐ろしいし、何と厚かましい
偉そうに
先ず、己は「所詮、無関係の部外者でしかない」と云う真実をちゃんと自覚した方がいい
元来が品性下劣なのか
または、生まれながらに頭が悪いのか
それとも、早とちりなのか
下も下のくだらない承認欲求を満たして自己満足のエクスタシーに喘ぐ事のみしか考えていないから、他に頭を使う事が出来ない
可哀想に
憐れこの上無い
いや、所詮は他人
他人のする事、言う事等、犬の糞みたいな物だからな
自分以外の人間に何かを求める方が間違っていた
他人に期待するのが無駄
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おはよう
今月、歌舞伎座の六月大歌舞伎の昼の部「名月八幡祭」で、縮屋新助と云う役を演っている
僕にとっては非常に思い入れの強い役だ
勝手に「家の物だ」と云う気持ちも正直、有る
目標は三十年以上前に上演された、父の新助に片岡仁左衛門兄さんの船頭三次、中村富十郎の小父さんの藤岡慶十郎、市川左團次兄さんの魚惣、そして、坂東玉三郎の兄さんの芸者美代吉
他の先輩方の新助も勿論、何度も拝見している
そりゃ、素晴らしいし、素敵だ
敵わないと思う箇所も数え切れず、「此処は父のよりもいいのではないか」と、思う部分も沢山有る
しかし、それでも、それがいいとか、悪いとか、肯定とか、否定とか、真似したいとか、どうとかと云う話では全く無い
僕の中での新助は父、初代尾上辰之助
それ以外は自分の魂の中に全く存在しない
願わくば「父に爪の先程だけでも魂の近い新助を」、そう思った
でも、蓋を開けてみたら、稽古中から含めて理想には遥か遠く、全く手も足も出ず四苦八苦
色々な意味で深い自己嫌悪に陥った
情け無くて眠れずに涙を飲む毎日
僕、そこで一つ気付いた
子供の頃に生で観て幼心に衝撃を受け、その後はベータ、VHS、DVDをも擦り切れる位に再生したその「名月八幡祭」、父の新助にもそう、仁左衛門兄さんの三次にもそうだが、殊、玉三郎の兄さんの美代吉に本当に焦がれ憧れ恋をしていたんだ、と
その初心を忘れていた
今日から、また意識改革
心機一転
あの、僕の中では唯一無二の伝説化している、父を含めた先輩方の「名月八幡祭」の足元に半歩でも近付ける様に、また死に物狂いで演る所存だ
朝っぱらから前向きでおかしな日記だと我ながら思う
気が触れたのか、死んでしまうんではないかとも思う
でも、此処で皆さんにも決意表明した方が、自分の肚が定まると思い切って書いた
僕と、三次役に出てくれている市川猿之助さん、藤岡役の坂東亀蔵さん、魚惣役の市川猿弥さん、魚惣女房お竹役の坂東竹三郎さん、美代吉役の市川笑也さん達と共に、今の僕等にしか出来ない芝居を
そして、僕が引っ張って行く
そう肝に据えたんだ
では、行って来る
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