572
今日は坂東彦三郎さんとガリガリのベーシストの村井研次郎さんと飲んでいる
この三人の面子で飲むのは大層久し振りだ
実に楽しいね
村井さんが僕の中学校、高校の同級生で昭和四十九年生まれ
僕が早生まれで昭和五十年
彦三郎さんが昭和五十一年生まれ
昔馴染みでこれからどんな話になるかな
後から中村松江さんも参戦する事だし
今晩は泥酔しよう
ちなみに松江さんは昭和四十一年生まれだったかな
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571
昨日は朝から富山県のANAクラウンプラザホテル富山に行き、日帰りで藤盛会北陸支部主催の講演会
拙い話ながらも司会の女性に助けられ、満席になってくれた事も有り、何とか無事に終了
話していた僕も楽しかった
来て頂いた皆さんに改めて御礼を申し上げたい
そして、その後は東京に帰って来て、友達の誕生日パーティーに着物のままで後から遅れて参加
着物に多少、匂いは付いた物の、美味い火鍋だった
さっきまで盛り上がり、ちょっと前に帰って来て風呂に入り、やっとすっきりした所
さて、すっきりした所で全く別の話をしよう
遥か昔の話、映画「ハリー・ポッター」の一作目試写会に呼んで貰い武道館で観た時に一目惚れしたので「白い梟をペットに飼いたい」と言ったら、弟子達に滅茶苦茶怒られあっさり却下された事が有った
理由は「自分じゃ絶対に世話しないのが目に見えている」のと「楽屋の冷凍庫に餌の鼠等を入れておくのが薄気味悪いから」だそうな
しかし、今、我が家に居る二匹の犬達(雑種、八歳、名前は豆蔵と、雑種、三ヶ月、名前は紅煉)も、梟とはまた違った大層な可愛さではある
犬アレルギーを持つ僕故に、手洗い等、ケアには十分に気を付けなければならないが、その手間を補って余り有る癒しをくれるから、当分は今の子達だけで梟は我慢しようと思う
そう、御存知の方も在ったかとは思うけれど、実は僕は随分と前から犬(豆蔵)を飼っている
そして、今月頭に二匹目(名前はイギーしようかとも思ったが紅煉)が我が家に来たのだ
まさに、今月末から旅に出る公文協西コース・松竹大歌舞伎・八代目中村芝翫、四代目中村橋之助、三代目中村歌之助襲名披露の間、来月末に家に帰るまで、二匹が仲良く待っていてくれるかが、東京を離れる心配事の一つ
ただ、先に申し上げておく
僕が居ない間、世話をしてくれる人はちゃんと居るから、放置等の虐待は断じてしないので、一先ず愚痴愚痴とした心配は全く御遠慮の程を願い下げておこうか
兎に角、今の僕の目標は兄の豆蔵だけではなくて、弟の紅煉も早く同じベッドで一緒に寝れる様になる事だ
後々、願わくば大型犬も一頭は飼いたいかな
アフガン・ハウンドとか、グレート・ピレニーズとか、サモエドとか
それから、やっぱりいつかは梟も欲しいね
出来れば白い奴
名前はヘドヴィグか、若しくはペットショップ
でも、ペットショップは隼の名前か
と、そんな感じで仕様も無い日記をつらつらと書いてみた
では、おやすみ
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「ドラゴンクエスト11」、裏ボス的な奴を倒す前にLVが99になってしまった
まだ、何か勿体無くて倒していないんだよね
そうだった、「ドラゴンクエスト」シリーズはLVが99で打ち止めであった
今回もそうなのか
もっと強くなりたかったのにな
しかし、今回の「11」も相変わらず楽しかったけれど、最後までお金に困る仕様だった
モンスターを倒して、稼いでも、稼いでもお金が足りないよ
そして、幼馴染みのエマとは断じて結婚しなかった
幾ら、最強の武器のレシピを貰えるとは云ってもね
やっぱり、情や打算や勢いではなく、結婚は愛だよ、愛
ゲームの中の話だとしてもさ
だから、結婚するなら他のパーティーメンバーの女史達の中から「5」の様に選べれば良かったな
ちなみにスーパーファミコン版、PS2版ではビアンカ、DS版ではデボラを選んだ僕だ
全体的には文句無しに面白かった「11」
ただ、エマは僕の中では歴代No.1に評価が薄くて低い幼馴染みではあったかな
パーティーメンバーは勿論ながら、セニカ、ニマ、ヤヤク、シャール、リーズレット、セレン、ロミア等々
女性キャラがそれぞれにいい女インパクトが高かったから、余計にね
ちなみに、僕がプレイした「ドラゴンクエスト」シリーズ
好きな度合いで順番を付けるとなると
1位「3」、2位「5」、3位「11」、4位「8」、5位「2」、6位「1」、7位「9」、8位「4」と、此処までは順番は付けてみた物の、どれもこれも遜色無く楽しめた
で、9位の「6」と、10位「7」はそんなにテンション高くして貰えなかった部類
同様に「ファイナルファンタジーシリーズ」で順番を付けるとすると
1位「6」、2位「9」、3位「4」、4位「10」シリーズ、5位「3」、6位「1」、7位「5」、8位「2」、9位「7」、10位「8」と、これも此処までは殆ど僅差で素晴らしかった
一方、11位「15」、12位「12」、13位「13」シリーズは、何だか心の琴線に全く触れなかった三本
そして「ドラゴンクエスト」シリーズの「10」と「ファイナルファンタジー」シリーズの「11」、「14」は全くの問題外
何故ならばオンラインゲームだから
僕はオンラインゲームはプレイしたくない
先日、劇団ハイバイの公演「ハイバイ、もよおす」の中で岩井秀人さんは「オンラインゲームをプレイしている人の中にもいい人は居る」と、仰っしゃっていたけれども、僕には全くその経験が無く
オンラインゲームの中で遭遇したのは大概、現実で対面しないのをいい事に、初心者苛めや人格否定をする、口汚く優しくない連中の方が圧倒的に多かったからだ
だから、僕はもう二度とそんな思いをしたくないので、オンラインゲームはプレイしない
ゲームセンターでやる「WCCF」だけは別物か
それでもやっぱり、ゲームは基本、一人でチクチクと進めて行くか、見知った友達と少人数でやって行くのが醍醐味だね
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569
先月の七月五日に神奈川芸術劇場のホールで劇団四季の「オペラ座の怪人」を観た
そして、昨日
八月五日は、去年の十二月に誘ってくれた昔の恋人がまた声を掛けてくれたので、劇団ハイバイの「ハイバイ、もよおす」と云う公演を観て来たのだ
それが偶然「オペラ座の怪人」を演っている神奈川芸術劇場のホールの隣の大スタジオ
丁度一ヶ月目と云うタイミングで同じ劇場に足を踏み入れたと云うのが何だか面白い
そして、その女性がハイバイ大好きなのはいいんだが、取ってくれて渡された席が何と一番前
しかも、主宰、演出の岩井秀人さんのトークは堂々のかぶり付き
幾ら何でも程が過ぎるだろう
僕も少しは演劇に携わっている者の末席に加わる一人として、演者が然程は意識していない事は分かっているし、出演者に知り合いが居る訳でも無いとは云いながらも、流石に一番前で観劇すると云うのは少々、面映ゆい物ではあった
何より一番前は、全体を俯瞰する事が難しく、観辛いし、首と腰が痛くなる
内容は「RPG演劇のニセモノ」、舞台写真撮影可の「大衆演劇のニセモノ・天魔・十文字伝」、そして「ゴッチン娘」と云う作品の三本と、芝居の合間合間に入る岩井さんのその一人語り
それぞれに面白かったし、共感出来た
「どれの何処の部分がどうこうだった」と云う感想を一々述べるのはやめにして、岩井さんのトーク力と出演者の確かな演技に或る時はしんみりさせられ、或る時は笑わされで、人間の持つ残酷さと滑稽さをまざまざと突き付けられ、非常に観応えの有る二時間半強だった
来週の八月十二日まで公演は続くので、夏休み等で時間の有る方は是非、観劇してみては如何だろうか
お勧めである事は間違い無い
決して損はしない筈だ
そして、再び誘ってくれた彼女にはまたタイミングが合えば声を掛けて欲しいと思う
しかし、もし、その時には一番前の席ではない所だけは必ずや願いたい物だ
さて、来週の八月十三日には大阪の国立文楽劇場にて、藤盛会関西支部舞踊会で長唄「助六」を踊るので、それの復習を始めている
また、八月十九日に藤盛会北陸支部の講演を富山県のANAクラウンプラザホテル富山で開催する
それの内容を考えて、司会者の方と段取りの打ち合わせをしなければならない
八月十六日から二十日まで国立劇場小劇場で行われ、我が弟子達も出演する第二十三回稚魚の会・歌舞伎会合同公演の稽古も何処かで様子を見に行かなくては
来月の公文協西コース・松竹大歌舞伎・八代目中村芝翫、四代目中村橋之助、三代目中村歌之助襲名披露に於ける長唄「猩々」の稽古も始まる
十一月、国立劇場大劇場の歌舞伎公演「坂崎出羽守」の宣伝写真を撮る予定も有る
「ドラゴンクエスト11」、取り敢えずはクリアー目前
殊に先ずは明日、普段から仲良くしている或るカップルに婚姻届の保証人ならぬ、証人の欄にサインをすると云う大役を頼まれたので、それを果たさなければならない
僕では色々な意味で何となく縁起が悪い気はしないでもないのだけれども、二人からのリクエストだから名誉な事と、余計な事は考えずに引き受けさせて貰った次第
彼等には焦らず、長い時間を掛けて、本当の意味での二人の幸福を、二人で見付けて欲しいと心から願う
特に“十六年目”と云う歳月には気を付けて欲しいと心底思う
「何故、“十六年目”と括って細かく拘るのか」だと
いや、そりゃ、ただ何となくだ
それ以上でも、それ以下でもない
断じて無い
無いんだよ
本当なんだからな
と、云った感じで、久し振りののんびり休みモードから、少しずつだんだんと慌ただしい日常が戻って来つつある
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今月は細々とした仕事は有ったけれども、歌舞伎公演は今年に入って初めての休みだったので、割と色々な本を読んだ
中でも非常に難しかったのは埴谷雄高さんの「死霊」
ダンテ・アリギエリの「新曲」
アドルフ・ヒトラーの「我が闘争」
ヒョードル・ミハイロヴィッチ・ドストエフスキーの「罪と罰」、「カラマーゾフの兄弟」と云った辺りか
さっき、やっと「我が闘争」を読み終えた所
勿論、「死霊」以外の四作は原語でなぞ読めはしないから、それぞれ日本語訳の物だったけれども、どれもとても手強い
尚且つ、衝撃的だった
読み終わってから、いや、読んでいる最中から何度も頭が破裂しそうだったよ
正直、読後の今も自分が内容のどの位を理解出来たのか自信が無い
はっきり言って苦行だったね
何故、自分にこんな苦行を課したのか、自分でも良く分からない
きっと、精神的にマゾヒストだからだろう
普段ならこの類いの本は読まないんだけど、それでもいい経験と勉強にはなったかな
さて、頭のリフレッシュに次は何を読もうか
積んである中から、武田泰淳さんの「ひかりごけ」にしようか
それとも、エルネスト・チェ・ゲヴァラの「革命戦争回顧録」がいいかな
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個人的な好みの話
横綱の土俵入りは観ていて大変に立派な物だ
型的な話だけで言わせて貰うと雲竜型よりも不知火型の方が好み
攻め一方と云うあの手の開きに刹那の煌めきを感じるからだ
謂れで、良く「雲竜型よりも横綱としては短命だ」とされる不知火型で、これだけの長期政権を維持しているのだから、やっぱり、好き嫌いの兎や角以前に白鵬関と云うのは大した関取だと思う
立派
見事
ちなみに、僕が最も好きだった関取は、やはり雲竜型ではあったけれども、今の八角理事長
当時の横綱、北勝海関
故千代の富士関との兄弟弟子横綱は絵になっていた
様になっていたな
今は宇良関や石浦関とかの相撲を観戦するのが楽しい
さて、話は変わるが、明日は今年二度目の人間ドックだ
恐らくはPETをやるからであろうけれど、僕が頼んでいるクリニックは毎年、検査を二回に分けているからね
確かに面倒臭くはあるけれど、それで詳しく点検して貰えるなら仕方が無い
良しとしておくか
とは言っても、明日の検査終了時までには大体の結果は出るんだけど、今年は去年より薬の量も多いし、明らかに不摂生していたから心配は心配だな
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ふらりと旅行がてら伊豆に来た
道中、色々と散々なトラブルは有ったけれど、何とか辛うじて到着
初めて取った宿なんだけれども、犬が一緒でも大丈夫なペンション風で過ごし易そう
ドッグランも在るし
しかし、プライヴェートで旅行なんて、久し振りだ
帰ったら、また通夜、告別式と続いて、気持ちは悲しく重くなって行くのは今から明白だからな
此処でしっかりと気分だけでもリフレッシュして東京に帰りたいと思う
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今日は神奈川芸術劇場のホールに劇団四季の「オペラ座の怪人」を観に行って来た
久し振りだったからとても楽しみにしていたら、予想通り実にいい物を観せて貰った
相変わらず、オープニングのシャンデリアが吊られて行く場面からゾクゾクと興奮させてくれるよ
ファントム役は村俊英さん
最近の村さんと云うと、自分の中では「キャッツ」のアスパラガス、グロールタイガーのイメージが強かった
しかし、随分前に僕がまだ尾上辰之助を名乗っていた折の名古屋公演、毎日の様に観狂っていた頃のファントムが村さんだったから、回数としては一番、彼のを観ているんだと思う
そんな手慣れた方だから、安定感と上手さ、そして懐かしさで、胸が一杯になって心地良く観る事が出来た
個人的には「お久し振り」と云う感じ
ちなみに村さんとは名古屋で一度、お逢いしているんだけれど、確か、成田屋さん、十二代目市川團十郎の叔父さんの御弟子さんである市川新蔵さんと同じ大学だか、同級生と云う話を聞いたよ
クリスティーヌ・ダーエは苫田亜沙子さん
彼女は「ウィキッド」のグリンダ・アップランドをされているのを観た事が有る
その時も歌に圧倒されたが、今日の彼女のクリスティーヌはグリンダに勝るとも劣らぬ素晴らしさだったと思う
僕が何人か拝見した歴代の名クリスティーヌと遜色無いのではないかな
他にもカルロッタ・ジュディチェルリを演じた辻奈々さんの迫力有る歌声を始め、ムッシュ・アンドレ、ムッシュ・フィルマン、ウバルト・ピアンジ、マダム・ジリー、メグ・ジリーと
素敵な役者さんの皆さんに感動を与えて貰った
うん、「オペラ座の怪人」は
いや、「オペラ座の怪人」に限らず、素晴らしいミュージカル
そして、素晴らしい芝居は何回観ても感動を与えてくれるし、決して飽きさせる事が無いね
及ばないまでも、僕も「そう云う舞台だった」と、お客さんに思って貰える様に毎日を演じなければいけないな
今月は休みではあるけれど、色々な意味でいい刺激を貰い、改めていい勉強もさせて貰った一日だった
さて、明後日は一回目の人間ドックでPETに入らなければ
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今日は墓参りに出掛けて来た
去年末以来、漸く今年一回目
しかも、マイカーでは初めての墓参り
空は曇って今まさに雨が降り出しそうで、日和は良くないんだけどね
でも、幸い、道も空いていたし、何とか降り出す前に無事に掃除も済んで、気持ち良く墓参りを終わらせる事が出来た
一区切りの整理が付くし、気持ちのいい物だ
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今月は歌舞伎座の六月大歌舞伎、昼の部の「名月八幡祭」と夜の部「一本刀土俵入」に出演していて、両演目とも市川猿之助さんと御一緒だった
彼と共演したのは久し振りだったけれども、御一緒に演らして貰うと、実に勉強になるし、何より楽しかった
こちらは足を引っ張らない様にするのに精一杯
昼の部では散々、足蹴にされて苛められた分、夜の部では駄目夫の僕をひたすら支えてくれるいい女房であった
暗転の間に毎日、合羽を着せてくれていたのだが、甲斐甲斐しく世話をしてくれるその心遣い、気遣いたるや、本当に嬉しい
まさに天才に昼夜共に引っ張って貰った一ヶ月だった
感謝しか無いね
常磐津「浮世風呂」も素晴らしく、何度も拝見させて貰った
立役、女形、踊り、どれを取っても天才的って、こりゃどう云う事だ
当然、御本人の努力が有るからの話であろうとも、一人に二物も三物も与えるなんて、神が真実に存在するとしたら、何と依怙贔屓なんだろう
嗚呼、だから、神なんて嫌いだし信じていないのだ
いや、嫌いで信じていないからこそ、向こうも僕の事は嫌いなんだろう
色々な意味で、奪い続ける残酷な天を、残酷な神を、僕はこれからも生きている限り憎み続けるだろう
望む所だ
いつも優雅な面して上から余裕綽々で見下ろしているんじゃない
こちらの方こそ、絶対に許さない
いつの日か、必ず、断罪する
鉄槌を下す
いや、私情と思い入れと恨みが入り過ぎた
話を戻そう
猿之助さんは僕よりが一つ下
でも、正直、年齢に関係無く尊敬している人間の中の一人である
彼が見放さないでいてくれるのなら、また今後は頻繁に出させて貰いたい物だ
坂東竹三郎さんと御一緒出来たのは財産
また、是非、お願いしたい
市川猿弥さんとも数年振りの芝居、凄く助けて貰った
市川笑也さんの相手役を初めて演ったのも、こちらとしてもとても勉強になった
さて、その昼の部の「名月八幡祭」では、僕は縮屋新助と云う役を演じていた
前にも日記に書いた通りに勿論、基本の演技とイメージは父である先代尾上辰之助の新助を頭に叩き込んで一ヶ月を通した
でも、実は前半の表情の部分だけ、父以外にも或る人物達を参考にはしていたのだ
それは「名月八幡祭」とは全く関係無い、僕の敬愛する漫画「北斗の拳」にほんの数コマだけ登場する、拳王事ラオウ軍に蹂躙される、無抵抗主義の村の住人達
特に、ラオウに殺される長老と、ラオウに殺され掛ける少年の二人
他人に無条件にニコニコしながらも、何処かに不安や怯えを残した笑顔
初めて読んだ当時、原哲夫先生の描いたその表情が物凄く印象に残ったから今回、少しだけ含んでみたつもりだ
もし、御覧になったお客さんの中で、僕が演じた新助に、そう云う、微笑みながらも何処か寄る辺無い不審感、不信感を感じ取って下さった方が少しでも居てくれたのならば、無駄ではない成功だったと、有難く思うのだが
また、ラストの場面、雨の中で芸者美代吉を凝視して行く首の動かし方は、映画「エクソシスト」のリンダ・ブレアが演じたリーガン・マクニールの首が180度回転する名場面を初めて観た時の言葉に出来なかった衝撃の悍ましさに通じた物を伝えられれば良かったのだが
こちらはせいぜい90度足らずの事でも“首一つを敢えて機械的に動かす”と云う動作だけでも“脳味噌と心と本能と身体を切り離して動かさせる”とは、なかなか難しい物だった
とは言え、あくまでも自分の中でイメージをトレースしていただけだから、それについて兎や角と「自分の仕事である歌舞伎をそんな風にして漫画や映画と一緒くたにするなんて」的な有難くも的外れな金言を下さる博識者振った似非通の人達の方がもし、また湧いて出てらっしゃったとしても、返してやれる言葉は一切持ち合わせていないから、当方としては、苦笑いを浮かべながら困る事位しかしてあげられない話なんだけれどもね
それにしても「番町皿屋敷」に「暗闇の丑松」、「名月八幡祭」と「坂崎出羽守」か
うん
僕は良く良く運命の女に人生を狂わされて壊されるのが好きみたいだ
現時点で名実共に歌舞伎界現役No.1の振られキャラクターである事は間違い無いな
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