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そうか
もう十日か
やった事は凄く馬鹿だ
「法に触れるから」云々の話ではなく、愚か
美談にもならなけりゃ、肯定なんか到底出来やしない
しかし、駄目だと心で分かっていても、そこまでしても救いを求めたくなる
例え、許されない手段を用いても、如何なる物と引き換えにしても、何もかもを忘れてしまいたくなる
その気持ち、実はあながち、分からないではない
自分以外の全ての他人が敵に見えて、より一層、その悪意に心が追い込まれて行く
そうなると今度は、誰よりも自分が一番の敵となって、全ての他人の亡霊を従えて悪意と共に心に襲い掛かって来るのだよね
自分も込みで、この世の中に味方なんか一人も居ない
調子のいい時ばかり擦り寄って来て味方面をする癖に、少しでも調子が出ないと励まそうとしてくれもせずに手の平を返して悪し様に罵るだけ
「成功者」と、他人に言われれば言われる程、自分をそうだなんて信じられない
そんな世に殺意にも似た憤りを持っていただろう
自分だけに背を向け続け、裏切り続ける世を「どんな手を使ってでも屈服させてやろう」、「どんな手を使ってでも一泡吹かせてやろう」と、唾を吐き続けた
そりゃ、憎いよね
憎いよな
恐らく、エネルギーの源はネガティヴ、マイナスの思考
類い稀なる成績は、或る瞬間からその復讐心からなせる技の賜物ではなかったのか
ただ、それを維持し続ける代償には、ポジティヴ、プラスの思考よりも遥かに気力、忍耐力、思考力、体力を消費するのだ
生け贄は結局、自分の命、心、脳、身体
その内に何かと闘い続けていないと生きて行けない身体になる
まるで、眠っている時でさえ泳いでいないと死んでしまう鮫の様に
ひたすら全てと闘い続けて疲れ切って、捨て鉢な気持ちになってしまう
真実、親身になってくれている人すらも巻き込み傷付けても自分は気付かない始末
結果、負のスパイラルに陥ってしまう
「正気ではなかった」と差し引いたとしてもタトゥーだって、見せ付ける様に露出させていたのは「お前等の所為でこんな風になってしまったんだ」と云う、無意識での他人への当て付けとか、恫喝の意味も強かったのではないのか
“快楽”になってしまった時点からは知った事ではない
経験が無いので伺い知れないが、一番最初が“現実逃避”と云う入り口だったとしたら
僕も手の届く身近に存在したら、それに「絶対に頼らない」と、自信満々に胸を張って言い切る自信は無いかも知れない
分かるよ
分かる
とは言っても、格好悪いし僕の趣味ではないから、まるで興味無い
やらないし、幸いにしてやろうとも思わない
どうして、自分以外の全てに許しを乞わせようとあんなに傷だらけになりながら闘っていた者が、許しを乞わねばならない側に回ってしまう真似をしたのか
どうして、舐められるのを最も厭う者が、自ら嘲笑の汚辱に塗れる真似をしたのか
それでも、世の多くの人の様に「悪い事をした」、「馬鹿な事をした」、「やっちゃいけない事をした」と、他人事で言下に斬って捨てて片付ける程割り切れもしない
一歩
いや、半歩
いや、一寸歩み間違えたら、あれは一秒先の己の姿
故に無責任に面白おかしく笑い者になぞ出来ない
していい筈が無い
最後に
物凄く大ファンだった訳では無い
知り合いでもなければ、住む世界も違ったけれど、子供の頃からずっと観て来た
時代の象徴だった
巨大な権力を持つ君主に取り込まれ我を失う以前、その前に堂々と立ち塞がり、苦も無く片手で捻り潰していた頃の貴方は本当に格好良かった
貴方の涙に震えた事も有った
モビー・ディックとキャプテン・エイハブは決して相容れないのに
何故、狩る側の心意気と反逆心を売り渡した
貴方を憎む人、利用する人も多かったろうけれど、それと同じ数か、それ以上に貴方は愛されていた
賛否合わせてスターだった
貴方は生き様も含めて、僕にとっても伝説の一人だった
伝説が斜陽を迎え、脆くも地に崩れ落ちて行く瞬間を目の当たりにさせられるのは寂しい物だ
せめて、今は朽ちた伝説が「砂上の楼閣ではなかった」と、それだけを願う
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昨日から一転
まさに2、3分前の事
乗っていたKMタクシーがオーストラリア大使館の近くで、バックして来た日交タクシーの不注意で追突された
軽いけど、これも交通事故の内に入るんだよね
だとしたら、人生初の交通事故を味わった
首にガクンと少しばかり衝撃を受けクラッと来て、駆け付けた警察官に心配されたが、怪我は無いし、その場で降りて徒歩で目的地まで元気に移動中
大した事は無さそうなので、生命の危険は免れた上に今の所は身体に異常が出ていない様だから、色々な意味で、色々と期待している方々の熱望に添った形となる事には出来ず、大変申し訳無い
しかし、余談はさて置き、あれはどう考えても100%、ずっとクラクション鳴らし続けても気付かなかった日交タクシーの方が悪いと思うよ
注意力散漫な事この上無い
KMタクシーの運転手さんもいい迷惑だろう、可哀想に
僕も、もし今後、後遺症が出たら日交タクシーの方に文句を言うべきだろうな
ちょっとだけ酷い目に遭った
全く、何て日だ
そうか、今年は本厄だからか
やっぱり昨日、山崎咲十郎さんに言われた通り、お祓いして貰っとけば良かったかな
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今年は何だか、例年以上にお祝いメールやお祝いの手紙、プレゼントを沢山頂くな
もう、そんなに目出度い年でもないんだけどな
流石に少々、照れ臭い
松竹株式会社の演劇制作部や歌舞伎座監事室の人達から「御目出度う」を言われたのも初めてだったし、一門の弟子と弟子見習い、付き人、番頭からも酒のつまみの盛り合わせを貰った
そう言えば去年は楽屋で使う下着セット、一昨年は僕の甘い物嫌いを無理矢理直そうと、マカロンの詰め合わせだったな
他にもファンの人達から色々と届いたりと、嬉しい限り
大概が酒関係だと云う所に疑問が有る気もしないでもないが
中でも一番テンションが上がったのは、僕のホームページやグッズ、そして大体、毎月の役のイラストを書いてくれている女の子からの手作りの小物入れのお盆とフォトスタンド
これは可愛い
真面目な話、このプレゼントでかなり元気を取り戻した
心が支えられる
早速、楽屋に戻って前から使っていたフォトスタンドから祖父と父の写真を取り出して入れ替えて、鏡台に飾ったよ
感謝
今晩は母夫婦が御飯を奢ってくれる予定だったが、サプライズで楽屋にプレゼント持って来た娘と息子の「折角の誕生日なんだから寿司食わせろ」とのリクエストに応えたし、明日は中村松江さんや坂東亀寿さん達、いつも飲んでいるメンバーが祝ってくれるそうな
坂東亀三郎さんも来週に時間を作ってくれる、とさ
そう言えば、亀三郎さんの息子君も今日が誕生日
僕なんかよりも、輝ける未来の有る彼の方が遥かに目出度い、目出度い
来週の土曜日には、また別の友達もモツ鍋でパーティーを開いてくれると言ってるし
こう考えてみると世の中、犬の糞みたいな他人ばかりじゃないんだな
僕みたいなガラクタにも温かくしてくれる人達は居るのだ、と云う事を思い出させてくれる
そう云う人達には、心から感謝して素直に言える
「有難う」と、ね
ちなみに明日は、河原崎権十郎兄さんと中村鴈治郎兄さんの誕生日
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以前にも日記の何処かで書いたと思うけれど、個人的見解に過ぎないが、自分で作った料理は別として、フードポルノを恥ずかし気も無く平然とやってのけたり、あまつさえその上に恥ずかし気も無く一家言打つ様な人間は、店で偶然にも目の端に入ってしまっただけだとしても、あまり楽しい事では無い
もっと言えば、非常に気分が悪くなる
大概、そんな人間の言う事は食べ物以外の話も押し並べて説得力を全く感じないし、信じるに足らない
また、そんなデリカシー無き、薄っぺらく浅はかな神経の持ち主とは絶対に五分の友達になんかなれないし、出来れば知り合いどころか、関わり合いにもなりたくない
いや、所詮は他人
他人のする事、言う事等、犬の糞みたいな物だからな
自分以外の人間に何かを求める方が間違っていた
他人に期待するのが無駄
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残酷な事を無邪気に言うね
無意識にだけど的確に、言われて一番痛い、嫌な所を突いて来た
いや、迂闊に尋ねたのが愚かだっただけの話だ
知っていたけどさ
今日のあれは物凄く、一気に何もかもがどうでも良くなっちゃった
はっきり言って、あの瞬間に「冷めた」って言葉が適切なのかな
走って、走って、走って、飛び付いて、傷だらけになりながら、やっと掴んだと思って力一杯握り続けていた手を何十年振り、死ぬ直前に開いてみたら、その中には何も入ってなかった事に気付いた様な虚しさ
必死で、命懸けで守ろうとしていた物は本当は最初から存在なんてしていなかった
怒りとか悲しみとかって感情ではなく、あまりの無力感から侘しく微笑む以外に何も出来ない
心の糸が切れてしまったよ
他人様からは到底、そうは見えないだろうけど、これでも何とか一生懸命生きて来たつもりだったんだけどな
一体、何の為に今まで生きていたのかな
ただ、無駄に時間を重ねて生きていただけだったみたいだね
あの瞬間は「聞かなきゃ良かった」と思ったが
何だか、今になって逆に考えたら、或る意味では肩の荷が降りて楽になったとも取れるのかも知れないな
もう、いいや
我慢も美徳と思って散々、堪えて来たけれど
これからは無理をしないで我儘に、自分を可愛がってやって、自分を甘やかしてやって、自分の為に生きよう
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ちょっと前に声優の中村悠一さんも少し話題にしてたらしい、との話を耳にした
ブシロードのCMでもプロレスラーのオカダカズチカさんが「オカダさんだろ」と、子供達を窘めていたけど
多少は表に名前が出るのも仕方の無い商売だからって、犯罪者じゃあるまいし、年上、年下に関わらず、何で友人でもない、知り合いでもない赤の他人に呼び捨てにされねばならないんだろうか
“まさか、本人がそこに居合わせる”なんて偶然は考えもしないんだろうけど
殊に公の場でそれをされるのは、あんまり気分のいい物ではない
どころか、非常に不愉快になる
自身の事だけじゃない
表になるべく姿を出さない様にしている僕でさえその始末なんだから、他の同業者の方々、また、他業種の公人の方々なんて、そんな思いをもっとさせられているんだろうな
自分とは全く接点の無い人間を我が物顔で呼び捨てにしている奴に遭遇した時、いつもとても嫌な気分にさせられる
きっと「些末な事だ」とすらも思わないで、何を感じる事無く自然にそうしているだけなんだろうが、実に無神経、且つ、礼儀に失する行為ではないだろうか
良く平気な顔して出来る物だ
訳の分からない嫉妬なのか、悔し紛れからなのか「有名税」とか「その程度は我慢するのが当たり前」やら、本気で抜かす頭の悪い輩が多く居る
舐めた事をほざかないで頂きたい
そんな愚にも付かない手前勝手に曲解したふざけた欺瞞で、こちら側の穏やかな安らぎや生活、当然の権利を犯されて堪るか
そして、そう云う奴は大概、当人に対面した時には敬称付きの敬語で愛想笑いを浮かべながら米突き飛蝗の如く平身低頭で振る舞う癖に、相手がその場から離れようと後ろを振り向いた瞬間にまた偉そうに呼び捨てに戻るのだ
相場はほぼ決まっている
無礼極まる話
一度、自分の身に置き換えて考えてみるといい
もし、それをしている礼儀知らず達が同じ事をされたら
そう云う事を平気で出来る奴等に限って
そう云う事を平気でする奴等だからこそ、自らが普段からしている行為を棚に上げて物凄く逆上する筈だ
きっと“自分が他人にされて嫌な事は、自分も他人にしない”なんて基本的な事すら頭に浮かばない程、自分の姿を鑑みた事が無い、地に足が着いていない人種なんだろう
そんな弁え無き厚顔無恥に何を訴えても、求めても話にならないな
それとも何か、関係者振って通振る事に因って、知った気に幅利かした内輪面をしたいのか
だとしたら、余計に気持ち悪い
その勘違い、他人事ながら、僕の方までが恥ずかしくなる
いや、所詮は他人
他人のする事、言う事等、犬の糞みたいな物だからな
自分以外の人間に何かを求める方が間違っていた
他人に期待するのが無駄
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いや、驚いた
びっくりした
山岸舞彩さん、中田有紀さんに続いて、森崎友紀さんまで結婚してしまったら、僕は明日からは何を支えに生きて行けばいいのか
だが、今回、驚いてびっくりしたのはその話ではない
平幹二朗さんと佐久間良子さんと云う名優お二人の御子息であらせられる俳優の平岳大さん
今度、今年の三月、四月に大阪と博多で上演される、市川猿之助さんのスーパー歌舞伎2nd「ワンピース」に出演する事が決まったんだってね
実は彼とは小学校、中学校と同級生だったんだよ
とは言え、彼は勉強も出来たし、スポーツも出来たし、子供の頃からお父さんとお母さんのいい所を巧く取った美形だったし、細身で背も高かったし、比べ物にならない雲の上の存在だったけどね
多分、彼も僕の事なんか眼中にも無かったろうから、覚えていないかも知れないな
彼本人に伝えた事は無いけれど、実は当時「同学年随一の美男子だったんじゃないか」と、思っていたのだよ
僕の性別が女だったら、あの憂いを帯びたニヒルで端正な顔立ちはかなりタイプの筈だ
「役者なんて馬鹿な商売は絶対に嫌だ」と言って、中学校卒業後にアメリカに渡った彼が「役者になった」と云う話を聞いた時は「あれだけ嫌ってたのに」と腰を抜かしそうになったのを覚えている
今やW・シェイクスピアの台本を原語で読んで理解している程の俳優だとの噂も入って来るよ
舞台や映画、TV等で活躍されているが、タイミングが合う限り、なるべく拝見させて頂く様にしている
数少ない自慢出来る同級生の一人だ
彼の様な男を“孝行息子”と呼ぶんだろうな
しかし、猿之助さんは狡い
岳大さんとの共演は密かに僕も狙っていたのに、悠々と先を越されてしまった
何にしても、この二人が兄弟分を演じる芝居、詰まらない訳は無いだろう
僕は行けるかどうか分からないが、少しのジェラシーと共に心の底から楽しみに、また、応援している
観劇される方は是非、瞬きする間も惜しんで堪能して貰いたいね
そして、もう二十五年近くお逢いしていない岳大さん、その内に再会出来て酒でも酌み交わす機会に恵まれれば幸いだな
その時を心待ちにするよ
それにしても、市川中車さん、市川染五郎さん、猿之助さん、岳大さん、後はカリガリのベーシストの村井研二郎さん等と
近年だけでも、我が母校出身の表現者達は、頭も良く仕事も出来る文武両道の猛者達ばかり
凄いな
本音を漏らせば、彼等の決して枯渇しない才能と努力の泉、羨ましい限り
ほら、僕はそこに肩を並べられる様な天才、秀才でもなければ卓越した表現者でもない、平凡どころか最低ライン以下
枯渇しない以前に、湧き出る泉すら最初から持たない、振る袖も無い、ただのアウトカーストでしかないからさ
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昨日、今月の歌舞伎座での歌舞伎座興行、初春大歌舞伎にて新古演劇十種の内「茨木」で演じている渡辺源次綱で、舞台上でいきなり噎せて嫌な感じだと思っていたら
やっぱり、昨晩から三十九度近い高熱が出て咳と鼻水が止まらなくなった
どうやら、風邪みたい
年末から年明けに掛けて、自分の事だけじゃなくて、他にも色々な所用が多々重なったから、その疲れが抜け切ってなかったのか
居所定めず寒々しい部屋で寝てるからなのか
そして、薄々、具合いが悪くなり始めているのを察知していながら、熱っぽいからって晩飯をガリガリ君七本で済ませたのが良くなかったのか
その割に腹だけは調子は悪くないんだがな
折角、教えて下さった松本幸四郎の叔父さんや、相手役の伯母真柴実は茨木童子をなさっている坂東玉三郎の兄さんに珍しく誉めて頂いているのに
そして、従者宇源太で出演している中村歌昇さんも「兄さんの綱、格好いい」って言ってくれているのに
プロにあるまじき落とし穴の凡ミスだ
情けない
またか、また、こうやってチャンスを棒に振るのか
何て体たらくだ
新年早々、弱り目に祟り目だよ
寝る前に熱冷ましやら、咳止めやら、鼻水止めやら、痛み止めやら、小児用ジキニンやら、ヴェポラップやらとケアしてから強い安定剤と睡眠薬飲んで、僕にしては長い眠りは取っといたから、今朝は多少は良くなってる気はしないでもないけれどもさ
せめてはこれ以上、悪くならない様にしないとな
せめて、今日からは気合いと薬で風邪を抑え込んで、舞台上でだけはその体調の悪さを絶対に隠し仰せなければ
その代償にだったら、寿命なんか幾らでもくれてやる
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エロはいいね、エロは
どんな嫌な事が有っても、エロ話をすると、その嫌な事が或る程度は笑って頭の中から駆逐して追いやれる物だな
或る意味、友達と酒を飲みながらする罪の無いエロ話は究極の気分転換の一つかも知れない
と、云う訳で
皆さん、明けまして御目出度う
個人的には昨日、僕にとっても実に嬉しい一件が無事に起きたので、縁起は悪くない去年のラストだった
早生まれとは言え、今年は本厄に当たる訳だけれど、厄年なんてのは自分の場合は生まれた瞬間から死ぬまでずっと続いている様な代物だし
もし、良ければ今年は僕の事はどうか一つ、穏やか、且つ、静かに温かく見守って頂ければ幸いだと、臥して偏に宜しく乞い願う次第である
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どうせまた今晩も、全国各地の盛り場で頭の悪い餓鬼共が、他人様の迷惑も考えずにはしゃぎまくってるんだろうな
一昨晩も、今月の歌舞伎座での歌舞伎公演の後に稽古を終わらせて家に帰ってみると、忘年会で我を忘れて暴れたのかね
玄関の前で、泥酔した見知らぬ愚か者が反吐を口から垂れ流して、パンツ丸出しどころか、尻を半分出した状態で泡まで吹いて失神していた
そんな馬鹿が凍え死のうが、急性アルコール中毒で野垂れ死のうが、一向に構わないんだけど、また吐かれて家の玄関をそれ以上の反吐の海にされるのは堪った物ではなかったので、警察を呼んで保護して貰った
その男は、手前が撒き散らした反吐を掃除もせずに、反吐塗れの服で反吐の悪臭を全身から漂わせつつ、保護に来た警察官二人に抱えられながら千鳥足で日比谷線に引っ立てられて行ったよ
酒の味も美味さも分からず、己の酒量の限界を知らず、調子に乗って飲んで酒を冒涜する糞みたいな奴は心底、死ねばいい
しかし、イエス・キリストの誕生祭に樅の木を飾って、正月に門松を飾り、成人式には悪趣味で格好悪い間抜けな単車に跨がって粋がり、二月十四日にはチョコレートを崇め奉り、三月三日には雛人形を飾り、ハロウィンには阿呆みたいな仮装をして騒ぎ回り、サッカーにも野球にも大して興味無い癖に四年に一度は必ず便乗して浮かれ電柱やら駅の屋根やらによじ登り、結婚披露宴には有り得ない色の紋付きを恥ずかし気も無く着て、色直しでは体型に似合わないドレスを着る
何でもこじ付けて、イヴェントと云う名の免罪符に刷り替えれば大目に見て貰えると思っている
その内に、ゾロアスター教やイスラム教、挙げ句の果てには法輪功とかサイエントロジー辺りの祝日さえも無節操に曲解して祝い出しそうだな、この国は
そんな皆さん、メリークリスマス
娘と息子にはリクエストされていたプレイステーション4とソフト数本をプレゼントした
まさか、僕本人はクリスマスイヴとクリスマスの両日共を尾上松也さんと二人で過ごす事になろうとは、夢にも思ってなかったな
しかも、芝居終了後に歌舞伎座の稽古場でね
僕はどうせ、何の予定も無いし一人寂しく出前でも取って真っ暗な自室で仏壇の蝋燭だけを頼りに録り溜めた二時間ドラマを観ながら夜を明かすつもりだったからいいんだけど、こんな時期に松也さんを独占しちゃって、彼の恋人には大変申し訳無い事をしていると、済まない心持ちだ
とは言え、松也さんの彼女が今、誰なのか、とか
また、彼女“達”なのか
そして、稽古の後に何処に行って何をしているのかは、僕は全く関知していない
知った事ではないし、知り得ない事だ
そんなこんなであれこれと予定が詰まり、この年末までに「グリーン・インフェルノ」、「サクラメント・死の楽園」、「喰らう家」、「ビハインド・ザ・コーヴ」、この四本の映画が観たかったんだが、時間の都合が付かなくて、一本も行けそうにないな
ブルーレイディスクで買うしかないか
後は取り敢えず、来年公開予定の映画では「スポットライト」と「グッドナイト・マミー」、それから「エリザベス・神なき遺伝子」の三本は押さえておきたい所だ
では、皆さん、素敵な夜を
ただし、聖なる夜を“性”なる夜と履き違えて、文字通り“破目”ならぬ“ハメ”を外し過ぎない様に
くれぐれも御忠告申し上げる
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