2018.09.22 Saturday
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畜生
家に帰ってきて、不注意から、ピーラーで左手薬指の肉を勢い良く、遠慮無く、思いっ切り、削ぎ落としてしまった
皮どころか、肉までしっかり持って行かれてしまった
結構、大きな肉の塊がシンクに刮げ落ちた
その瞬間、血が、滴り落ちるのではなく、噴水の様に上に吹き出た
しかも、全身から猛烈に冷や汗も流れた
人には「その、削いだ肉の塊持って病院行って、繋げて貰って来い」と、言われたが、時既に遅し
そんな物は既に下水道に流しちゃったよ
今頃は鼠かゴキブリが下水管の中で食ってるんじゃなかろうか
僕の肉体の一部だった物体にしては、相応しい最期だ事
また、面白がって傷口を皆に見せたら、家の弟子達を始めとして、市川高麗蔵の兄さん御夫婦、中村又五郎の兄さんや中村児太郎さん、中村吉之丞さん、坂東亀蔵さん達に「それは最早、縫う段階の奴」とも、言われもしたけれども
肉片を捨ててしまった以上、縫っても意味無いとの自己判断に依り、病院には行っていない
現時点、未だ絶賛、痺れている
痛い
と、言うよりも、熱い
しかも、冷たくも感じる
左手薬指に心臓が有る様だ
血は、やっと止まった、かな
いや、まだまだ掛かるか
何たる不覚
流石にちょっと、苦笑いだ
最早、笑うしかやってられない
少々、大袈裟だが「嗚呼、“指を詰める”とはこれに近い感覚なのかな」と、漠然と考えた程の衝撃だった
ピーラーの鋭さ、恐るべし
舐めちゃいかん
そして、こう云うのは、安物は買っちゃいかん
しかし、僕、怪我っぽいな
明日までに血、止まるかな
化粧にも、いつもよりちょっと手間が掛かりそうだ
切り落とした肉の部分、復活するのかしら
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