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僕は兎角、昔から滅茶苦茶先輩に好かれない、可愛がられない性質の方の後輩だった
いや、「だった」ではない
現在進行形でもそうである
つまりは「だった」ではなく「だ」が正確かな
殊、人に憎まれる、嫌われるのも才能の一つだと言うならば、それについては僕の中で唯一、天賦の物なのかも知れない
全然、欲しくなかった才能だけれどもな
「三國志」に登場する魏延文長の如く、顔に“反骨の相”が顕れている事も有るだろう
また、これまでに形成されて来た性格に因る部分が大半なのだろうし「仕方無い」と、諦めてはいるが、理由は「何故」と、嘆きたくなる位に理不尽極まりない物から、「そりゃそうだ」と、自分でも思う程に至極当然の物まで数限りない
一つ一つ挙げて行ったら切りが無いし、あまりにも自分が憐れになるので、精神衛生上良くない
この場では控えておく
だから、後輩達にはこう云う、僕みたいな人間には間違ってもなって欲しくないし、僕だけは絶対に見習っちゃいけない、と、常日頃から切にそう願っているし、そう伝えている
末頼もしく心強き後輩達も、頼もしくなく心強くもなく全く期待出来ない後輩達も、全ての後輩達には、お客さんは勿論の事、先輩方からも愛される歌舞伎役者になって貰いたい
心からそう思うのだ
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