尾上松緑、藤間勘右衞門の日記

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2018.12.24 Monday

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クリスマス・イヴに、ちょっと、感傷的になってしまった
来年の二月に歌舞伎座で昼夜一本ずつ、父の三十三回忌追善狂言を出させて貰うのだが
その月の劇場のイヤフォンガイドの企画で、僕が二代目尾上左近を襲名した時に、祖父と父と三人で受けたインタヴューの一部分を流そうと云う話になって
どの部分を流すかを聞いていたのだ
インタヴュー自体、四十年近くも昔の話だし、僕は全く覚えていなかったのだけれど
芝居の台詞等では記録で、祖父、父の声は良く聞いている物の
普段、喋っているあの二人の声は、本当に久し振りに聞いた
懐かしかったな
そして、その温かい内容に、僕は「本当に祖父と父に愛されていたんだな」と、改めて有難く心に沁みた
と、同時にまた改めて、役立たずでがらくたの自分がのうのうと生きている事を本当に申し訳無くも思った

生きているべき、生きていなきゃいけない人間が死んで、死んでも構わない、死んだ方がいい、死んだ方が喜ばれる憎まれ者が生きているなんて

何と云う不条理か

今からでも、自分が死んで代われる物なら代わりたいと、また、いつもの如く思っている

出来る事なら、娘に、そして息子に

祖父や父を逢わせてやりたかった

仕事の事ばかりではなく、プライヴェートの意味でも

僕なんかじゃなくてね
来年の二月に、歌舞伎座に父を偲びに来て下さるつもりが有る方は、是非、そのイヤフォンガイドで、祖父と父の声を聞いて欲しいと思う


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