歌舞伎役者
四代目尾上松緑
日本舞踊家
六世藤間勘右衞門
己が吐き出す為だけの
取るに足らぬ残日録
無断の転載や
スクリーンショットの盗用等
断じて願い下げる
137

やっぱりな
僕の致命的な欠点と取るのか
言い直せば不本意ながら或る意味、可愛い所、御愛嬌とも言えるのか
どれだけ格好良さ気な事を思おうが、それが半永久的に長続きしないと言うか
兎に角、僕は抜けている
間抜けと云う言葉じゃ間に合わない程に抜けている
脇が甘い
詰めが甘い
用心している筈なのに、忘れた頃に必ず何処かで穴に嵌まってポカをする
ちょっと足元を見るのを怠って視線を上げてしまうと、普段の僕じゃ有り得ないくだらない失策をする
だから、僕は目線を上にしてはいけない
常に下を向いて、俯いていなければいけないのに
他人より以上に、病的な位にしっかりと足元を見詰めていないと駄目なんだよ
それでも駄目なんだから
相変わらず、自分で自分を地に落としている
情け無い
要は結局、緊張感が足りないんだ
全然、張り詰めてない
不用意過ぎる
分かっちゃいるんだけど、時たま頭からそんな大事な話が抜けちゃうのが僕の悪い所
今でさえこの始末
自分でそんな愚かしい自分が焦れったく、憎い
こんなので生きて行けるのか
無理だね
もっと自ら鞭を入れ続けないと今以上にダレた、どうしようも無く駄目で馬鹿なだけの男になり下がってしまう
こんな体たらくじゃ無駄に酸素を消費する価値すら全く無い
要らない
不必要だ
足りない
届かない
自戒
反省
自己嫌悪

| - | 16:17 | - | - | このページのトップへ
136
先々週の話、我が日本舞踊藤間流の藤間晃彦さんと云う門弟が亡くなった
彼もまた、癌だった
僕よりは年上だが、日本舞踊家としてはまだまだ若く働き盛り
あまりにも早い
早過ぎる
求められる人間ばかりが死んで行き、不必要な人間ばかりがのうのうと生き長らえる不条理
これから僕の左腕としてお互いに切磋琢磨、競い合って仕事をして行くつもりだったから悔しくて堪らない
家元と門弟と云う関係をさて置いても、彼はこれからの藤間流を共に担って行くべき仲間の一人だった
僕には「家元の力になれなかった事が悔しい」と云う言葉を最後に残してくれて逝ったそうだ
とんでもない
僕が彼にどれだけ助けられたか
名取式も手伝ってくれた
何度となく講師として参加してくれた夏の講習会
一緒に稽古をした「供奴」や「吉野山」、「三社祭」等
僕が初めて「勘右衞門の会」で「達陀」を出した時にも力を貸してくれた
一緒にやって来た数多くの仕事は忘れない事だろう
そして、共に酌み交わした酒も一生、忘れる事なんて出来そうもない
これから、次の時代の藤間流を守って行く舞踊家、事務方、関係者達は、彼とする筈だった仕事を彼の分も背負ってやって行かなければならないと感じている
勿論、僕個人としても、最後に僕に残してくれた言葉に報いる為にもだ
今はただ、彼に伝えたい
「お疲れ様、もう苦しい治療なんかと闘わなくていいから、ゆっくり休んでくれ、これまで本当に有難う、僕は君を忘れない」と
| - | 05:27 | - | - | このページのトップへ
135
一昨日、阿澄佳奈さんと共通の友達の二人に声を掛けて頂き、阿澄さんが出演した舞台「ペルソナ3TheWeirdMasquerade〜青の覚醒〜」の夜の部をシアターGロッソにて拝見して来た
主役は男女ダブルキャストで、僕達が観たのは当然、阿澄さんの回
ストーリーは元になったゲーム「ペルソナ3」にほぼほぼ忠実なんだけど、「あの長い話を良く二時間に纏めたな」と思ってたら、まさかの少年ジャンプ的「俺達の旅はまだ始まったばかりだ」エンディング
成程、巧い落とし所に持って行ったね
元来、「ペルソナ」シリーズは曲がいいから今回の様にミュージカル仕立ての音楽劇にするには相性が抜群にマッチするとは感じた
大道具のバックではなく、どんどん変わって行く映像を背景と効果に使っていたのが興味深い
役者陣とのタイミングが大体合ってたのも盛り上がる要素
後から話を聞いたら阿澄さん、実は初舞台だったとの事だが、その初々しい奮闘振りに感動した
これから、舞台にもどんどん慣れて沢山出演してくれるといいな
だからこそ、客席も満員だったあの興行が、昨日までのたった五日間で千穐楽を迎えてしまったのが勿体無いよ
他に個人的感想は、桐条先輩役の娘がセクシーで僕好みだった
連れに元Boystyleのメインヴォーカルだったと教えて貰い納得
ゆかり役の娘も可愛かったな
その、ゆかりと順平がゲームより性格がストレートになった事に因り、役が良くなってた様な気が
ファルロスを演じてた彼もいい味出してた
と、とても楽しめたステージだった
此処の所、色々と予想通りのトラブルに引っ掻き回されて些かテンションが下がり気分が悪かったのだが、友達があの様に奮戦している姿を目の当たりにすると、自分にもいい刺激になるよ
来月、再来月に向けても目線を上向きにして貰えた
そう云う意味でも、阿澄さんと、誘ってくれた連れにも本当に感謝だ
| - | 23:44 | - | - | このページのトップへ
134
早い物で今年も既に一週間以上が過ぎたか
国立劇場での初春の歌舞伎公演も初日はとっくに開いてるしね
今年一つ目の日記にも書いたけれど、例年同様一月一日に目標を立てた
去年までの漠然とした物と違って、今年のはちゃんと果たせそうだ
果たさなければならない
その確とした目標の為にゆっくりでも一歩一歩、着実に進んで行こうと思う
皆さんには、僕へのちょっと遅いお年玉代わりに、それを応援して頂ければ実に有難く嬉しい
そう言えば余談だが、今年の初夢
いや、喪中でも初夢って呼ぶのかな
書き直すと、今年の一番最初の夢には先一昨年に死んだ僕の弟子、尾上辰巳が出て来た
何か今の僕、または我が一門に伝えたい事でも有ったのかね
では、遅ればせながら、今年も一年、宜しくお願い致したい
| - | 22:58 | - | - | このページのトップへ