2014.02.28 Friday
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今、この身は既に京都
一昨々日、歌舞伎座での二月の歌舞伎公演も何とか無事に千穐楽を迎えた
その昼の部の「心謎解色糸」では中村七之助さんとキスの場面も有る恋人同士を演じていた
彼としっかり組んで芝居をするのは、随分と昔の歌舞伎十八番の内「矢の根」、「新皿屋舗月雨暈」、去年の「陰陽師」以来、四度目と認識している
年下なのに、とても芝居が丁寧で心が付き、リードしてくれて尚且つ、美人で声も綺麗な非の打ち所の無い、彼氏甲斐の無い僕なんかには勿体無い位に素敵で可愛い恋人だった
今まで、なかなか御一緒する機会は多くなかったけれども、彼が愛想を尽かさないでさえいてくれたら、これからも色々な芝居を共に出来れば嬉しいと思う
引っ張り凧だから、あまりラヴコールを送っても倍率は高そうだね
七之助さんを始めとして後輩には中村梅枝さん、中村壱太郎さん、坂東新悟さん、中村米吉さん、大谷廣松さんと、それぞれ違ういい色合いの女形さんが揃っているのは選り取り見取りで頼もしい
いや、もとい
僕の方こそ彼等に「たまには相手役してやってもいい」と時々は選んで貰える様にならないといけないな
ところで、話は全く変わる
個人的話で甚だ恐縮だが、今年は何だか、一月の国立劇場優秀賞から続いて松尾芸能賞優秀賞と云うのも頂いた
四年前に日本舞踊家、藤間勘右衞門として花柳寿應賞新人賞を頂いて以来だ
新人、と呼ばれるのは当時でも面映ゆかったけどね
二ヶ月連続で受賞とは、賞や賞レースに縁も所縁も興味も全く無い僕には青天の霹靂だ
こんな、らしくない事件
死んじゃうんじゃないかね
したが、僕如きが受賞とは、その賞達の格がガタ落ちになるのではないか、と、心掛かりにすらなるが、そう評価して貰えたと云う事実は客観的に、個人としてではなく
師匠方や先輩、僕の弟子、僕の代からのスタッフ、友人達は勿論の事ではあるのだけれど
特に今回は日本舞踊を仕込んでくれた藤間流の先生方や、今まで支えてくれた尾上佳緑、尾上扇緑、尾上松太郎、尾上辰緑、尾上松十郎、尾上緑三郎、尾上緑也と云った祖父、父の代の弟子達
また、その頃から事務方として尽くしてくれている、くれていた、飯島、原、松本、近藤、木村、矢田部と云った面々
そして、口をつぐんで黙っていたのをいい事に、知ったか振った馬鹿者共や日和見の腰巾着達に出任せ放題の出鱈目を散々吹聴されながらも、言い訳がましい事をせずに、衝突したり不仲な時も乗り越えて僕を育ててくれた母の御陰
その人達にこそ、深く深く頭を下げて礼を述べたい
最後に、祖父、父が相次いで死んだ時に「この船は沈む」とばかりに八艘飛び宜しく身を翻してくれた、政治的バランスの良く読める機を見るに敏であった数多の諸兄、御大、その他には「この沈みそうな船はフライング・ダッチマン号級のオンボロ幽霊船ではあるけれど、残念ながらまだ沈んではいず、僕も細々と何とか辛うじて死んではいないので、貴公等の御慧眼、目論見を外してしまい本当に大変申し訳無い」と重ね重ね、頭を地ベタに擦り付け伏して心から御詫び申し上げたい
大事な事だから、もう一度書き留めておく
誰の目算が狂おうが
誰が舌打ちをしようが
誰に何を侮られようが
例え、どれだけ馬鹿にされようが
御生憎様
今、現時点、僕はまだ生きている
一昨々日、歌舞伎座での二月の歌舞伎公演も何とか無事に千穐楽を迎えた
その昼の部の「心謎解色糸」では中村七之助さんとキスの場面も有る恋人同士を演じていた
彼としっかり組んで芝居をするのは、随分と昔の歌舞伎十八番の内「矢の根」、「新皿屋舗月雨暈」、去年の「陰陽師」以来、四度目と認識している
年下なのに、とても芝居が丁寧で心が付き、リードしてくれて尚且つ、美人で声も綺麗な非の打ち所の無い、彼氏甲斐の無い僕なんかには勿体無い位に素敵で可愛い恋人だった
今まで、なかなか御一緒する機会は多くなかったけれども、彼が愛想を尽かさないでさえいてくれたら、これからも色々な芝居を共に出来れば嬉しいと思う
引っ張り凧だから、あまりラヴコールを送っても倍率は高そうだね
七之助さんを始めとして後輩には中村梅枝さん、中村壱太郎さん、坂東新悟さん、中村米吉さん、大谷廣松さんと、それぞれ違ういい色合いの女形さんが揃っているのは選り取り見取りで頼もしい
いや、もとい
僕の方こそ彼等に「たまには相手役してやってもいい」と時々は選んで貰える様にならないといけないな
ところで、話は全く変わる
個人的話で甚だ恐縮だが、今年は何だか、一月の国立劇場優秀賞から続いて松尾芸能賞優秀賞と云うのも頂いた
四年前に日本舞踊家、藤間勘右衞門として花柳寿應賞新人賞を頂いて以来だ
新人、と呼ばれるのは当時でも面映ゆかったけどね
二ヶ月連続で受賞とは、賞や賞レースに縁も所縁も興味も全く無い僕には青天の霹靂だ
こんな、らしくない事件
死んじゃうんじゃないかね
したが、僕如きが受賞とは、その賞達の格がガタ落ちになるのではないか、と、心掛かりにすらなるが、そう評価して貰えたと云う事実は客観的に、個人としてではなく
師匠方や先輩、僕の弟子、僕の代からのスタッフ、友人達は勿論の事ではあるのだけれど
特に今回は日本舞踊を仕込んでくれた藤間流の先生方や、今まで支えてくれた尾上佳緑、尾上扇緑、尾上松太郎、尾上辰緑、尾上松十郎、尾上緑三郎、尾上緑也と云った祖父、父の代の弟子達
また、その頃から事務方として尽くしてくれている、くれていた、飯島、原、松本、近藤、木村、矢田部と云った面々
そして、口をつぐんで黙っていたのをいい事に、知ったか振った馬鹿者共や日和見の腰巾着達に出任せ放題の出鱈目を散々吹聴されながらも、言い訳がましい事をせずに、衝突したり不仲な時も乗り越えて僕を育ててくれた母の御陰
その人達にこそ、深く深く頭を下げて礼を述べたい
最後に、祖父、父が相次いで死んだ時に「この船は沈む」とばかりに八艘飛び宜しく身を翻してくれた、政治的バランスの良く読める機を見るに敏であった数多の諸兄、御大、その他には「この沈みそうな船はフライング・ダッチマン号級のオンボロ幽霊船ではあるけれど、残念ながらまだ沈んではいず、僕も細々と何とか辛うじて死んではいないので、貴公等の御慧眼、目論見を外してしまい本当に大変申し訳無い」と重ね重ね、頭を地ベタに擦り付け伏して心から御詫び申し上げたい
大事な事だから、もう一度書き留めておく
誰の目算が狂おうが
誰が舌打ちをしようが
誰に何を侮られようが
例え、どれだけ馬鹿にされようが
御生憎様
今、現時点、僕はまだ生きている
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