無意識にだけど的確に、言われて一番痛い、嫌な所を突いて来た
いや、迂闊に尋ねたのが愚かだっただけの話だ
知っていたけどさ
今日のあれは物凄く、一気に何もかもがどうでも良くなっちゃった
はっきり言って、あの瞬間に「冷めた」って言葉が適切なのかな
走って、走って、走って、飛び付いて、傷だらけになりながら、やっと掴んだと思って力一杯握り続けていた手を何十年振り、死ぬ直前に開いてみたら、その中には何も入ってなかった事に気付いた様な虚しさ
必死で、命懸けで守ろうとしていた物は本当は最初から存在なんてしていなかった
怒りとか悲しみとかって感情ではなく、あまりの無力感から侘しく微笑む以外に何も出来ない
心の糸が切れてしまったよ
他人様からは到底、そうは見えないだろうけど、これでも何とか一生懸命生きて来たつもりだったんだけどな
一体、何の為に今まで生きていたのかな
ただ、無駄に時間を重ねて生きていただけだったみたいだね
あの瞬間は「聞かなきゃ良かった」と思ったが
何だか、今になって逆に考えたら、或る意味では肩の荷が降りて楽になったとも取れるのかも知れないな
もう、いいや
我慢も美徳と思って散々、堪えて来たけれど
これからは無理をしないで我儘に、自分を可愛がってやって、自分を甘やかしてやって、自分の為に生きよう