歌舞伎役者
四代目尾上松緑
日本舞踊家
六世藤間勘右衞門
己が吐き出す為だけの
取るに足らぬ残日録
無断の転載や
スクリーンショットの盗用等
断じて願い下げる
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全く

あの偉振った、蛤みたいな髪型した禿げたおじさんの御陰で酷い交通規制だ

何処の道を回っても、通行止めか渋滞

真っ当に仕事に勤しんでいる人間達の事も考えて頂きたい

彼が日本に来た所で、僕個人的には百害有って一理無し

迷惑千万なだけ

困った話だ

こりゃ、明日の出勤も何か手を打たないと面倒な事になるな

とっとと帰ってくれ

元来、共和党は好きじゃない

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762

尾上菊之助さんとはそれでも結構、一座を御一緒させて貰う事も多いけれど
市川海老蔵さんとは大体、年に一回、多くても年に二回程度の同座が有るか無いかだからな
今月の公演みたいな時に
彼等とお互いの楽屋、若しくは舞台袖等で時たま、長時間ではないにせよ
ほんの二言、三言の、全く仕事とは関係無いくだらない無駄話をくっ喋るのは

それはそれで、何だか居心地がいいと言うか
心地良い気持ちになる
どうでもいい会話をしていると、餓鬼だったじゃれ合っていた時分に戻った気がする瞬間が有る
近頃、自棄にそんな昔の事を思い出す
そんな心持ちも悪くない
あくまでも僕はね

照れ臭いし、言葉に出す必要も無いから、本人達には口が裂けても言わないけどね
こんな事を思い付く様になったのも或る意味、自分が何処か年食ったからなのかな

そりゃそうか、我々、皆が皆、既に子持ちな訳だ物な
いつまでも若いつもりでも、そうでもないか
なんて、詰まらない事を日記にしてしまった
僕の日記だから、大して誰も読んでいないだろうし、遠慮する気も無い
これからも、自分の最低の良識の範囲内で、誰かに文句を付けられようが、誰かに誉められようが関わらず

決して空気を全く読めないタイプではないが、読む必要の無い空気は今後も一切、断じて読むつもりは無い
他人には迷惑掛けずに、自分の書きたい事、書いておかねばならない事を書いて行きたいと思う

そして、僕自身、これからも、誰にも媚びず、誰にも胡麻を摺らず、意地を大切に通し続けて生きられるだけ生きて行こうと思う

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761

夜、寝る時用にエアウィーヴなる物を買った
マットレスと枕
今まで使っていたテンピュールは、あまり効果を身体に感じなかったからな
エアウィーヴにしようか、トゥルースリーパーにしようか悩んだ結果
先輩の威徳を信じてエアウィーヴにしてみた
これで寝る時、気持ち良くなるのだろうか
明日、届く
楽しみだ

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座頭の役
この所、今月の「寿曽我対面」の工藤左衛門祐経とか
来月の「祇園祭礼信仰記」の松永大膳久秀とか
また、再来月の「菅原伝授手習鑑」の舎人松王丸とか
重い役ばかり勤めさせて貰う事が多いが、こうした役々を演じてつくづく感じる事は、座頭役の難しさと云う事
僕の様な立役を専門とする歌舞伎役者にとって、究極の目的の一つは
そう云う役を演って舞台を締める事が出来る様な役者になる事だと思う
逆に言えば、座頭役を演って誰でも納得させてしまう様でなければ、立役として取るに足らないと云う事だ
僕が今、演れば「あそこの台詞がどうの」、「あそこの見得が下手」とか、色々な非難が勿論、有る事だろう
しかし、それはつまり、僕がまだまだ若輩だからであって、これが本当に座頭の貫禄を身に付けている人であったら、その様な非難は生まれて来ないだろう
生死問わず、真実の貫目、包容力を持った先達の錚々たる座頭役者の方々を御覧なさい
誰も彼も、少しばかりの何かをもしも感じたとした所で、そんな粗は取り上げる余裕さえ無くて、立派さの前に圧倒されてしまうではないか
流石の御大層な批評家先生御連中でさえも、何も言えない
役者の大きさと云う物は、年を取らなければ出来る物ではない
これは家の曾祖父、七代目松本幸四郎程の、名優と讃えられた役者と云えども当然言える事の様だ
曾祖父は先ず、立派な柄を持っていた事に定評が有る
若い時からいい男だったと言われているが、役者として本当に立派ないい顔になったのは五十歳から六十歳になっての事だったそうだ
磨きに磨きを重ねて行った結果、五十歳過ぎてから、より、あの様な美しさが生まれて来たのだろう
しかし、年を取れば自然に役者が大きくなると云う様な事は言えない
曾祖父は常に言っていたそうだけれど
大きさと云う事を考えないと、年を取ってからとんでもない結果になるらしい
若い内は身体が利くからいい
どんなにでも動き回れるが
さて、年を取ってから座頭の役を演って、若い人達の抑えになる事が出来なくなったら、立役として、これ程悲惨な事はあるまい
だからこそ僕としてはこう云う時に備えて、どんどん役にぶつかって行って、これを身に付ける気持ちで一杯だ
座頭役は大きな存在感を与えねばならぬ
然らば、どうすればそんな感じが出るかと云うとこれが問題になる
身体が大きいからと云って役者が大きいとは限らない
現に、評判だった祖父の歌舞伎十八番の内「勧進帳」の武蔵坊弁慶よりも一層、曾祖父の弁慶は立派だったと言われているけれど
実際の身長は曾祖父よりも祖父の方が五寸以上も高いのだ

僕からしてみれば、どちらかに優劣なんて、無礼極まりなくて付けられない、両方共に雲の上の存在だけれどもね
九代目市川團十郎さんと云う人は実に背の低い小さな方だったそうな
ところが、例えば、歌舞伎十八番の内「暫」の、あの鎌倉権五郎景政の写真等を御覧なさい
元禄見得の立派さと来たら、とても継ぎ足をしているなんて思えない
あの衣裳の中全体に、身が入っている様に思えるではないか
僕なんかでも是非ともあの様にと思って、足の開き方とか、手の位置とかを研究してみたのだが
やっぱり、こうした物は頭で考えただけではどうにもならないのだ
恐らく九代目團十郎さんと云う人は、それ程思い悩む事は無く、ただ身体に逆らわず、本能に従って見得をしただけで、あんな立派な形が生まれたのだろう
役者の大きさ等と云う物は、まさに、こうした技巧だけではどうにもならない物なのだろう
芸の道には限りが無いと云うのはこの事
九代目團十郎さん
曾祖父
祖父

先達
はてさて、上には上が有る物ではないか
考えた事はほぼ同じ意見だったので、遥か昔の祖父の取材に僕の言葉を織り混ぜてアレンジし、日記に記しておく

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758

しかし
いや、まさか、僕が「寿曽我対面」の工藤左衛門祐経を演るとはね
この狂言には数え切れない位に出ていて、此処の所はずっと、曽我五郎時致を演っていたし、頭から最後まで台詞を覚えている物だから
逆に、どの台詞も飛び出て来てしまう

ゲシュタルト崩壊を起こしてしまいそうだから、気を付けねばならないな

殊に五郎の「宝の山へ」と云う台詞は、言い慣れている癖で、勢いで思わず口から滑り出そうになってしまうから、注意が必要
本当は屋台から本舞台に降りての「高座、御免」の挨拶は、座頭のみがする演出

座頭格ではないし、台詞にも有る通り、まだまだ未熟な自分としてはするつもりは無かったのだが
教えて下さった尾上菊五郎の兄さんが「お前、あれはやった方が派手だし、お客さんの方も区切りが付いて締まるからしろよ」と、言って下さり

また、同座されている先輩方にもお伺いを立てた所

「いいのじゃないか」と、了承をして下さったので、分不相応ながら、今回はさせて頂く事とした
後輩達が舞台の真ん中に立つ今月のこの狂言

上手から見ていて、後輩達は皆、頼もしい
少しは先輩方、後輩達のお父様方に今まで受けて来た御恩の万分の一位は返せるだろうか
「こうやって歌舞伎は連綿と続いて来たのだな」と、実感している

坂東亀蔵さん、中村松江さん、中村吉之丞さん、尾上菊市郎さん達と共に、僕も中年組として役目をしっかりと果たさねばな

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